これ一台でホームセキュリティ。「Point」

IoTなどの身近な家電のハイテク化が進む中、日常の利便性だけでなくセキュリティレベルの高いデバイスにも注目が集まり始めている。

これまでの家庭用セキュリティデバイスはセットアップが複雑であったり、家にカメラを設置しなければいけなかったりなど何かと設置までが煩雑であることがネックとされていたのだが、現在プロジェクトが進行している「Point」はそのような懸念でホームセキュリティをおろそかにしてしまう心配もなさそうだ。

本体だけでセキュリティを行えるデバイス

Pointは文字通りデバイス一台でホームセキュリティを完璧に行ってくれるスマートデバイスだ。誰もいないはずの家で異常を感知した時や、不測の事態が発生した場合には、Pointがその持ち主や家族にそのことを報告してくれるのである。しかもカメラを使わずに、である。



その家に住む人だけでなく、近所の人や友人など、設定次第で誰にでも連絡が行くようにすることができる。例えば海外旅行や遠くに出かけるなどの用事で長い間家を開ける場合には、近所の友人や隣人にもし何かあった際には見にいって欲しいという意味合いも込めて、Pointの通知が届くように設定することができるといった使い方だ。

Pointはただの家庭用警報機には止まらない。それはいわば家そのものに声を与えるような役割を果たしてくれるのである。環境センサーや機械学習機能を活用して、Pointは家の中で起きる重要な出来事は記憶してくれる。

そのおかげで、Pointは通常と異常の区別をつけることができ、「異常」を感知した場合はすぐに持ち主に連絡することができる。例えば不法侵入、煙の発生、真夜中の騒音、急激な温度変化など、あらゆる状況把握をPointのみで行える。こういった情報は全てスマートフォンに通知され、どこにいようとも間違いなく連絡してくれる。

Pointはプライバシーへの配慮も行き届いている。感知するのはあくまでも機械学習から得られた異常のみで、例えばカメラによる撮影や、レコーディング機能でPointが生活音を盗み聞きするということもない。ホームセキュリティはどうしても第三者の目や耳の介入を許してしまいがちになるが、その心配もないのがPointである。

セキュリティを設置した後にやってしまいがちなのが、外出前のセキュリティ機能のオンである。どれだけ厳重にセキュリティを備えていても、機能がオフになっていればその役割を発揮できないものだが、Pointは外出時に自動的にスイッチがオンになる機能を備えているため、外出の後からセキュリティをオンにしたかどうかを気にする必要もない。

もちろんこの機能は自由に設定を変えることができるため、手動でのオンオフにも対応している他、好きなタイミングでアラームのスイッチを切り替えることができる。

これ一台でホームセキュリティ。「Point」


緊急事態の場合は、エマージェンシーアラームを通知してくれる。例えば家に火の手が上がった時などは家のどの辺りから火が出ているのかを通知し、近隣住民や家族など、被害が考えられると思われる人間に自動的に通知してくれる。

これ一台でホームセキュリティ。「Point」


こういった緊急事態の際には地域住民や家族でコミュニケーションをとることができるスペースが開設され、お互いに情報交換を行うことができるようになっている。Pointの専用アプリケーションを持っていない人でもそのコミュニティに参加することができるため、緊急時に情報が錯綜したり、非効率なコミュニケーションをとる必要も無くなるだろう。

あるいは湿度の変化など、人間の五感では探知しきれない微妙な環境の変化にもPointは気付くことができる。人間よりもはるかに優れた危険察知能力を秘めていると言える。

AIと環境学習が優れた効果を発揮

Pointがカメラも使わずにここまで正確なセキュリティ機能を発揮できるのは、AIを搭載したサウンド・環境センサーのおかげだ。これらの機能のおかげでPointは自動的に学習し、優れたパフォーマンスを発揮してくれるが、学習のために使用したデータがPointのメモリーに記憶されることはなく、具体的な情報は全て消去される。

これ一台でホームセキュリティ。「Point」


PointはWi-Fiに接続して充電式のバッテリーを取り付けるだけで、およそ半年から一年近い連続使用が可能になる。セキュリティデバイスはバッテリーや電源問題も懸念されるが、Pointに関しては電源が落とされても難なく動作することが可能となる。

Pointは2014年にもKickstarterのプロジェクトで出資を募ったことがあり、その時にも多くの反響を受けて世界中にそのデバイスを広めることに成功している。今回はそのアップグレード版ということで、あらゆる側面が刷新されたモデルとなっている。
今回のモデルで特にフォーカスを置いてるのがコミュニティ内でのセキュリティ意識の向上である。Pointを一台設置しておくことで地域の防犯意識が向上し、非常時にはお互いがスムーズに協力し合える環境を構築することが、Pointの狙いでもあるのだ。

現在PointはKickstarterで2万5千ドルの出資を募っているが、すでに21万ドルの資金調達に成功しているほどの注目を集めるスマートデバイスだ。79ドルの出資でPointを一台リワードとして受け取ることができるため、気になる方は出資してみるのも良いだろう。