人類の神秘、神経科学をよりわかりやすく。「NeroBytes」

現在の科学で最も複雑かつ神秘的だと言われている最先端の研究とは、脳がどのように機能しているのかを解読する分野である。私たちの脳は考えたり感じたり、そして行動したりといったあらゆる行為を司ってはいるものの、脳が内部でそれをどのようにして行なっているのかを説明してくれる知育玩具はこれまでにほとんど存在してこなかったのである。 このNeuroBytesはそのような問題に対処するため開発された。

次世代の知育道具として開発

NeuroBytesは学生やものづくりに携わる人、ものを考える人へ神経科学とエンジニアリングを結びつける機会を与え、実際に手にとって遊べることで楽しく学べる満足感を得ることも可能にしてくれる。NeuroBytesを取り扱うためにはコーディングの知識も必要ないため、ややこしいスキルを事前に身につけることなく気軽に楽しめるのがポイントだ。

スキルで人を選ばないだけでなく、場所を選ばない点も魅力である。NeuroBytesのキットは学校の教室や自宅、図書館、そしてシェアスペースであっても楽しく扱うことができるだろう。神秘的で強力な力を持つ人間の脳について、私たちはより楽しく学ぶ機会を得ることができるのだ。

NeuroBytesのキット

神経システムをシンプルに模倣した世界初の玩具

生物学における神経機能は、何百にも及ぶ異なる種類の神経を有している。それらは環境を感知したり、感知した環境を処理し、統合させたり、異なる筋肉をコントロールするためにそれぞれ特化した役割をお互いに持ち、支え合っているのだ。

NeruBytesはそのような複雑な神経の役割を簡略化し、手のひらサイズのモジュールに落とし込み、接触によって反応し、光り、それらの信号を処理し、筋肉の動きを表現するためにモーターを操る。

神経システムをシンプルに模倣した世界初の玩具

神経の働きは電気信号と化学信号の組み合わせによって行われる。NeuroBytesのモジュールにその和えられている一つ一つの色付けされたLEDは、どのように電気信号が伝わっているのかを表現してくれる。そしてケーブルもまたお互いにつながり合うことで、神経がお互いに信号をおくり合うための興奮性・抑制性神経伝達物質の循環モデルを表現してくれている。

生物学上の神経のように、NeuroBytesは一つ一つがモジュラーになっている。そのためNeuroBytesのキットはお互いに互換性を持っており、新しい何かを生み出すためにキットや循環モデルを増設したり、減らしたりすることもできるのである。モジュールという機会的な存在でありながら、あたかも細胞生物やブロックのようにその形を変え、生物のルールに則って新しいものを生み出せる仕組みはNeuroBytesのように生き物ではないが、生き物と同じ仕組みを持っているおもちゃだからこそ可能となった楽しみ方と言えるだろう。

NeuroBytesはキットとして販売されることを予定している。そのため神経科学のあらゆる事象について、多様な発見へと結びつけられる仕組みがデザインされている。純粋に神経科学の実験としても使えるし、あるいは神経のモデルとして念入りな調査を行うこともできる。あるいは神経システムを構築することもできれば、シナプスレベルでの記憶媒体の創作、さらにはあらゆる機能を用いて開発者が想像もしなかった新しい何かを生み出す可能性をも秘めているのだ。

シンプルだからこそ、誰にでも発見とクリエイティビティの喜びを味わえる知育玩具なのである。

またNeuroBytesはオープンソースであるため、様々な用途へ基本的には自由に転用することができる。商用利用の際も利用規約を守れば基本的には問題はない。

キットに付属しているNetwork Interface Device、通称NIDはNeuroBytesの真の力を解放してくれる。Androidかコンピューターに接続したNIDはNeuroBytesネットワークに接続され、データ解析や統計データ閲覧、あるいは接続されたモジュールへコマンドを送信し、直接指令を送ることもできてしまうのである。

NIDはNeuroBytesのファームウェアアップデート機能も備えている。それぞれのデバイスで機能するコードは、あたかも神経のように機能させる役割を持っているのである。コーディングに関しては現在も開発が現在進行形で進められており、NIDはリリースされる頃には最新のオペレーティングモードを備えていることだろう。

キットにもいくつか値段によって差別化された種類があり、通常のキットとは異なるスキンキットを購入すれば、人間の皮膚を模したキット共にNeuroBytesが送られてくるほか、膝を模したタイプのキットもデフォルトで用意されている。NeuroBytes単体でも十分な機能を発揮してくれるところではあるが、NeuroBytesの可能性を試したいという方にはこういったキットを購入してみることで、その楽しみ方に幅をもたらすことができるだろう。

NeuroBytesは現在Kickstarterで出資者を募集している。NeuroBytesのモジュール単体であれば20ドル弱の出資でリワードとして得ることができ、キットを購入するにしても59ドル程度の出資で手に入れることができるため、比較的リーズナブルな価格で手元に届けてもらうことができる。
これまでにはなかったタイプの実験道具であるだけに、いくらが妥当なのか見当がつけにくいところではあるが、この値段であれば十分に納得できる代物であるのではないだろうか。

(出典:https://www.kickstarter.com/projects/neurotinker/neurobytes-electronic-neuron-simulators