優れた安定性とHD空撮カメラを
搭載するドローン「Palm Drone」
今回紹介するPalm Droneは後者の空撮用ドローンに分類されるのだが、これまでのモデルと比べてはるかに安定性が高く、かつ高性能なカメラで質の高いドローン撮影を私たちに提供してくれる可能性を持ったプロダクトと言えるだろう。
シンプルさと使い勝手にこだわったPalm Drone
Palm Droneの開発チームがこだわっているのは、まずドローン本体のデザインのシンプルさである。合理的で実用的なドローンとして外せない条件にあるのはシンプルで使い勝手の良いデザインということだが、Palm Droneはカセットテープのような形状とスマートフォンのようなサイズ感で、多くの人にとって手に取りやすい形状を実現している。従来のドローンは家庭で取り扱うにはいささか大きく、機械的で複雑なビジュアルが一般人を遠ざけている節があったのだが、Palm Droneはより一般層に向けたユーザビリティの向上が図られた製品なのである。
これによって撮影用ドローンは室内・室外問わず、さらに場所を選ばないガジェットへと進化したということができるだろう。重量が100gに満たないというところも驚きである。
Palm Droneの優れたデザインは、ただ持ち運びが楽なドローンを実現しただけでなく、高性能カメラの持ち運びやすさをも向上させたことに等しい。操作性に優れたスマートフォンアプリケーションで自在に操れるよう設計されているため、スマートフォンとPalm Droneさえ用意しておけば、いつでもどこでもドローンによる撮影を行うことができるようになるのだ。
カメラとしてもドローンとしても優れた性能を発揮
Palm Droneに搭載されているハイパフォーマンスカメラは30fps・1080pHD動画撮影対応、8メガピクセル写真撮影を行うことができ、昨今の高性能なスマートフォンカメラと同様に、パノラマ撮影やバースト撮影、ディレイキャプチャ(録画モードでない時にカメラに捕らえられた映像を動画として保存する機能)にも対応している。ただ高画質で写真や動画を撮影できるだけでなく、様々な機能を活用することで複雑な撮影もPalm Droneを用いて行うことができるようになったのである。
またオートトラッキング機能も搭載されていることで、Palm Droneは自動的に動くものであってもフォーカスを合わせ続け、所有者が操縦せずとも被写体をカメラに綺麗な状態で収め続けてもくれるのだ。スマートフォンをいじらずとも自動で被写体を追跡したり、旅先の素晴らしい景色を収め続けてくれる機能はまさに近未来のガジェットならではだ。
手元を離れて複雑な撮影をできるということは、ポケットに収まる自分専用のフォトグラファーのような存在であると言えるだろう。
カメラ搭載のドローンの性能と聞いて気になるのはやはりドローン本体の安定性能である。常に動いていて一見不安定そうなドローンに撮影を任せてしまうと、ブレた動画や画像のみが記録されるのではと心配してしまいがちだが、Palm Droneの場合はエレクトロニックスタビライザーを導入し、この問題を解決している。このスタビライザーシステムは気流の影響から耐え、ローリングシャッターを防ぐために導入されているシステムで、これを活用して不安定な空中撮影をさながら固定して撮影しているかのようなブレのないシューティングを可能にしているのである。
撮影機能だけでなく、Palm Droneは単純にドローンとしての性能にも秀でている。デュアルGPS搭載による高性能位置把握システムの搭載により、Palm Droneは操縦せずともきちんとホームポイントに自動で帰投する機能も搭載しており、バッテリーが少なくなったり操縦者が帰投ボタンをタップするだけできちんと発着点へ移動することが自律的に行うことができるのである。
加えて飛行可能時間も最大で10分程度確保されており、このサイズのドローンとしては比較的長時間の飛行が可能だ。10分では物足りないと感じることもあるかもしれないが、そのぶん再充電のスピードも素早いため、外出中でも不便に感じることはないだろう。充電はUSB対応なので、普段スマートフォンの充電に使用しているコンセントやモバイルバッテリーを用いれば、いつでもどこでも充電を行うことができるだろう。
Palm Droneは現在Indiegogoで出資・早期購入者を募っており、2017年の11月から随時発送を予定している。カラーバリエーションは黒とシルバーの2色展開で、申し込みの際に好みの色を選ぶことができる。
価格は定価で359ドルだが、現在Indiegogoで用意されているプランは一台129ドルからで申し込みを行うことができるので、一般購入よりもはるかにお得な価格設定だ。送料は購入者負担であるものの、世界各国への発送も対応しているため、もちろん日本からでも申し込むことが可能だ。