ソフトロボティクスを用いて開発された
フレンドリーなロボット「Gomer」
そのため家庭用のロボットとなるとイマイチ印象の良いものではなかったが、Gomerに用いられているソフトロボティクスはそんな機械的なイメージを覆すテクノロジーであると言えるだろう。
「ソフトロボット」のGomer
Gomerは掴むものに合わせてその形状を自動的に変化させる屈折アームを有するオリジナルデザインのロボットだ。フレキシブルなアームにカメラ、そして移動能力に長けるキャタピラを装備していることで、これまでは実験室でのみ存在していたような多目的ロボットを家庭にもたらすことができたのである。
長年ロボットたちが人間の動きを真似る上で難関となっていたのは、自由自在にものを掴むという動きだ。ロボットは確かにものを掴むことはできていたのだが、物体に合わせて力の具合を変化させたり、形状に合わせて安定した持ち方を自発的に行うということはできなかった。
ロボットアームと聞いて想像する金属製のアームでは、果物や柔らかいものは形状を維持したまま掴むことが不可能に近かったものの、Gomerの搭載するソフトロボット技術は、そういったロボット特有の不器用さをクリアしている。例えばパンやイチゴなどはうまく力を調節しなければ簡単に潰れてしまうデリケートなものの代表とも言える存在だが、Gomerにかかれば問題なく掴み、ものの形状を維持した状態で移動させることができる。
Gomerが有しているのは分散コンプライアンスを用いたソフトグリッパーだ。このグリッパーはソフトロボティクスとコンプライアント機構合成理論に基づくアルゴリズムによって獲得できた技術で、従来のロボットアームにはなかった繊細なアーム使いは最先端の技術を持って可能としているのである。
ものを器用につかめるようになるということは、単純に掴んで運ぶ以外の仕事も行えるようになるということだ。例えばジョウロを掴んで植物に花をやったり、液体をかき混ぜるなど、掴む+αの仕事は普段の生活には無数に溢れている。実際にGomerを使用してみることで、日々の生活を自動化させる様々なきっかけを掴むことができるだろう。
とはいえいきなり複雑な仕事を割り振る必要はなく、掴んで運ぶを器用に行えるだけでも役に立てることは無数にある。例えば少し遠いところにあるものを取りたいというときだ。
Gomerの機動力と柔軟なアームがあれば、家庭内では活躍できる機会は多いはずだ。
また、Gomerに備えられているカメラを通してリアルタイムの映像を見ることもできる。専用のアプリケーションを手持ちのスマートデバイスにダウンロードすれば、リアルタイム映像の市長や録画、ソーシャルリンク、メッセージ送信機能、そしてリモートコントロールが行えるようになる。
Gomerを通して遠くへと探検させていったり、その様子をSNSにアップロードして共有することも可能になる。多彩な機能を備えておくことで、あらゆることが可能になるだろう。
Gomerは単なる人間の手足となるだけでなく、時として人間の良き友人となる可能性も秘めたロボットだ。Gomerは人の顔を認識できるため、使用者が笑っていればその喜びに同調し、落ち込んでいるそぶりを見せれば励ましてくれる。搭載されている独自のAIは使用者の顔を覚え、一度会った人間に再び会った際にはちゃんと反応してくれるのである。
Gomerをオリジナルの存在にカスタマイズすることも可能
人間の顔と同様、Gomerはもちろん掴むものが何であるかも認識できるため、掴めば掴むほど、器用な動作をするようになる。
そしてGomerにより複雑な動作を加えたければ、プログラミングによって手動でGomerをオリジナルのロボットへとカスタマイズすることもできる。C言語やPythonを用いたプログラミングに対応しているほか、プログラミングに詳しくないという人でも初歩的なブロック組み立て式のコーディングが可能であるため、初心者から上級者までプログラミングによるGomerのオリジナリティを高めていくことができる。プログラミングは常に楽しいものであるとは限らないが、Gomerを通じてよりロボティクスについて理解を深めることができるようになる。
GomerはAR技術にも対応しており、ARを用いたゲームやプログラミングにも対応している。ロボティクスにARが組み合わさったガジェットはこれまでも例の少ないケースで、次世代のテクノロジーについて深く学びたいという人にとっては最適の学習ツールにもなるはずだ。
Gomerは現在でIndiegogoで出資を募っており、229ドル以上の出資でGomerを一台リワードとして支援者は入手することができる。発送は2018年の4月を予定しているということだ。