糖尿病から身を守る真の守護者
「GlucoSentry」

GlucoSentryはいわゆるスマートデバイスだ。腕に巻きつけるタイプのこのデバイスは、フリースタイル・リブレセンサー(FreeStyle Libre Sensor)を導入した画期的なシステムを採用している。このセンサーは手持ちのスマートフォンと連携しながら現在の血糖値を計測し、記録することができるという優れものだ。


最終デザインはすでに決定しており、スマートでかさばらない形状はその使い勝手をより優れたものにしてくれることは間違いなさそうだ。本体だけでなく、対応アプリケーションも直感的に操作できるものとなっており、すでに3000世帯で使用され、実用レベルで満足の行く結果を出しているとのこと。

糖尿病から身を守る真の守護者「GlucoSentry」


自在にカスタマイズできるアラームも特徴的で、2016年の12月以来ずっと使われてきた機能だ。これは昼夜を問わず体の状態を教えてくれる「GulcoNightWatch(参考:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.gluconightwatch.app)」というアプリの中で使われ続けてきた機能だ。Androidデバイスにのみリリースされてきたこのアプリケーションは腕にスマートフォンを装着することでその効果を発揮してきたが、GulcoSentryがあればスマートフォンを腕に巻きつけずとも、その名の通り「スマート」で負担の少ないデバイスで測定を行うことができるようになる。

健康に関わるデバイスは常に正確性が求められるものだが、その正確性を維持するためにはパフォーマンスを維持し続けられる耐久性も必要だ。開発チームが求めるのはそういったデバイス本体の信頼性の向上で、少しでも長く使えるような質の高い素材での製品化を企画している。また耐久性だけでなくデザインに即した使い勝手の良さの追求も妥協しない。デバイス本体にはUSB充電が可能な充電バッテリーを搭載し、いつバッテリー切れを起こしても充電できるよう意識された作りとなっている。

このバッテリーはフリースタイル・リブレセンサーの防護シールドとしての役割も果たしており、外部からの直接的な衝撃でセンサーが誤作動を起こしてしまわないよう、バッテリーがセンサーを保護するように設計されているのだ。体への負担が少ないデバイスを開発するためには、少しでもデザインの無駄を減らす必要があるものだが、バッテリー兼プロテクターのような一人二役を与えることで、できる限り本体の重量を減らす工夫が凝らされている。

バッテリーはすでに二日間連続しての動作が可能になってはいるものの、現在はその使用時間をさらに伸ばすことが目下開発チームが取り組んでいることでもあるようだ。最終的にはデバイスを身につけているかどうかわからなくなってしまうくらいのデザイン性と持続性をもたらしたいとのこと。

糖尿病から身を守る真の守護者「GlucoSentry」


デバイスのベルト部分は好みに応じて付け替えることも可能で、自分のライフスタイルや趣味、年齢にに応じて適切なものを自由に選ぶことができる。

デバイスを通じて収集されるデータはアカウント単位で管理されるため、第三者によって自由に閲覧される心配もない。現代的なスマートデバイスらしく、プライバシーへの関心も高いプロダクトであると言えるだろう。

糖尿病から身を守る真の守護者「GlucoSentry」


GlucoSentryの根幹をなすとも言えるアプリケーション、GNWは主に夜間の低血糖症を未然に防ぐために開発されたアプリケーションだった。糖尿病にかかると血糖値をはかるために夜間も二時間ごとに計測する必要があるが、それが心身ともに大きな負担となることは想像に難くない。

アプリケーションで自動化することに成功すれば、わざわざ目を覚まして計測する必要もなくなるというのがアプリのもたらす成果であった。そしてアプリケーションは見事成功し、GulcoSentryはそのアプリの使い勝手をさらに拡張するために開発されたデバイスということができる。

具体的な製品化はまだ行われておらず、現在はkickstarterで資金を募っている。資金調達に成功すれば今年の12月より製品化に向けたデザインの最終決定、アプリの最適化が開始され、これまではAndroid専用であったアプリをiPhoneにも対応させる。来年の春にはテスト生産を行い、フィードバックを得ながら2018年の9月には支援者に完全版を随時発想予定という流れのようだ。

詳細はアプリ開発の際にまとめられたブログ(参考http://www.gluconightwatch.com/index.php/2016/09/07/origin/?lang=en)を読めばわかる通り、そもそもの始まりは開発者の親友の娘であるわずか9歳の少女が糖尿病を患ったというストーリーが発端となっている。糖尿病は中年期以降の男女が抱えてしまいがちな病気であると同時に、幼少期の子供も患ってしまいやすいということはあまり知られてはいない

。もちろん少しでも効果の高い治療法を模索することがまずやらなければいけないことではあるが、同時に回復までの患者の生活をサポートする仕組みや技術開発も忘れてはいけない。特に民間レベルでのテクノロジーを応用した研究や開発は目立たずとも大切な役割を担っており、GulcoSentryもまた糖尿病に苦しむ多くの患者の人生を大きく左右するスマートデバイスとなることは間違いなさそうだ。