3Dで運動を測定・評価できる
ソフトウェア「AssessLinkPE」

AssessLinkPEは運動能力測定やスポーツ科学の進展を目的としてデザインされたアプリケーションだ。3Dモーションキャプチャーセンサーを活用して、アプリケーションでは捉えている人の挙動を一般的な生物工学に照らし合わせて比較することが可能になる。


モーションキャプチャーを用いた運動測定は、単に数値を計測するだけでなく、キャプチャーされる側の運動能力に応じたレベルでその動きを評価することができるため、初心者からプロフェッショナルレベルまで、幅の広いターゲットに応じた評価測定が可能だ。これまでモーションキャプチャーや映像を用いた運動能力の評価はセミプロ、あるいはプロフェッショナルレベルのチームや高等教育におけるスポーツ科学の専門領域に置いて使われてきたものであったが、AssessLinkPEはそういったこれまでのプロレベルのニーズから、アマチュアや義務教育レベルの運動にも用いることができるようになったソフトと言えるだろう。

民間用でありながら高品質を目指したプロダクト

アマチュア対応とはいえ、このソフトウェアは体育博士号取得者とプロフェッショナルの3Dモーションキャプチャーエンジニアが開発に大きく携わっているほか、信頼性のある生物工学研究に基づいて制作されていることもあり、その性能はレベルの高い精度を誇っている。モーションキャプチャーそのものはマイクロソフト社のkinectに対応している。kinectは秒間で3000の動作を捉えることができるが、これは通常では考えられないほどの膨大な量の情報である。kinect本体はビデオゲームに対応している家庭用キャプチャーハードウェアだが、AssessLinkPEはkinectのパフォーマンスを最大限に利用して高精度のモーションキャプチャーを実現したソフトウェアなのである。

モーションキャプチャーテストに大掛かりなセットを必要としないということは、誰でもいつでも手軽に3Dモーションキャプチャーを行えるということである。そのため学生のようなスポーツ科学に特化した人間でなくとも取り扱え、かつ最大限に活用することでスポーツスキルの向上に積極的にコミットできるようになるということである。同時にその持ち運びのしやすさはキャプチャーの場所を選ばないということでもあり、好きな場所や遠征先でも手軽にキャプチャー評価を行えるということでもある。

そしてモーションキャプチャーを手軽に用いることができるということは、スポーツ科学を用いた一人一人に向けた最適の指導が行えるということでもある。これまでは学校の体育などでは規格化された指導要領に沿って授業を進めて行かざるを得ない状況があったが、初等教育や中等教育の場でも使えるようなキャプチャーシステムの導入は、さらに学生への指導を効率的かつ的確に行えるようにしたのである。これによって運動が得意な子どもはよりその長所を活かし、運動が苦手な子どもはなぜその種目が苦手なのかを科学的に分析し、指導に当てはめていくことで、総合的な子どもの運動能力の工場に繋げていくことができるというわけだ。

AssessLinkPEに必要なのはPCが一台、kinectが一台、そしてAssessLinkの三つだけだ。kinectは近年教育の場での導入も少しづつすすんでいるため、高等教育の現場では見かけることも珍しくない。
たとえkinectを持っていなかったとしても、たった三つの設備を揃えるだけ(PCは誰でも持っているので実質二つだが)で高精度のモーションキャプチャーシステムを導入できるという手軽さは、予算繰りに頭を悩ませている教育の現場でも最新鋭の設備を導入できるということだから、これほどのコストパフォーマンスを見せてくれる設備もそうないだろう。

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使い勝手の高さもAssessLinkPEの魅力

必要な設備だけでなく、使い方もごくシンプルなものとなっている。一度ユーザー登録を済ませてしまえば、あとは希望する運動のスキルレベルの設定してその様子をキャプチャーするだけだ。

3Dで運動を測定・評価できるソフトウェア「AssessLinkPE」

アプリケーションは自動でその運動をフェーズごとに分割して計算し、一つ一つのフェーズごとに生物工学的な視点から得た基準に即して、実際の動作を分析してくれる。

一人のデータを記録し終えると、そのデータを残したまま別のパフォーマーの運動も測定し、記録することもできる。複数人のデータを同時に収めることができることで、データとだけでなく人間同士でその動きを比較・検討することももちろん可能なのである。

PC側のユーザーインターフェイスもシンプルで使い勝手が良い。クラス単位で生徒のパフォーマンスを管理することができるし、Skywardのようなポピュラーなグループマネジメントシステムとも互換性がある。もちろんグループではなく個別でのパフォーマンスデータを管理することも可能だ。