1/6スケールのミニチュアで自動車の構造を理解できる
プロジェクト「Miniature Automotive Project」
4つのキットでワンセットの高品質モデル
このプロジェクトは4つのキットから構成されており、これらを全て組み合わせることで、一般的な自動車と重要な要素の内部機構を形成するようにデザインされている。
また基本的な4つのキットから構成されるミニチュアに加えて、6分の1で作られる16バルブエンジンの組み立てキットもこのプロジェクトには付属している。
それぞれのキットは組み立ててしまえば全てを組み合わせなくとも、一つ一つのキットごとを実際に動作させてそれぞれの動きを比較し、検証することも可能だ。加えてそれぞれの構造に透明性が確保されていることで、本物の気候とは違った客観的な視点でそれぞれを見比べることも可能にしているのがこのプロジェクトである。
コンプリートキットにはいくつかの見所が存在する。例えば、下のようなシーンである。
これはギアシフトレバーが望んでいたギアにうまく噛み合っている時に、どのような動きをしているのかを表したシーンだ。動作は選んだギアとのシンクロした組み合わせをもたらすシフトレベルシャフトを通じてまた別の動作へと影響を与えているのだ。
こちらはカムシャフトの回転をシミュレートしたパーツである。このシャフトの動きは、爆発から生じた排気ガスと同時に空気とガソリンがシリンダーに侵入していく様子を表現している。16バルブのものであれば、一つのシリンダーあたりに4つのバルブが割り当てられていることもわかる。バルブは合金で作られており、シリンダーは金属とプラスティックで作られているため耐久性も高い。
上のシーンでは特定のベルトでクランクシャフトがカムシャフトに結びついている図を表している。これはエンジンと接続しているトランスミッションギアボックスがアクセルの駆動軸と結びついていることが観察できるよう設計されているのが特徴的だ。これはマニホールド吸い込みシステムとインジェクターノズルの一部も示していることがわかる。カムシャフトのギザギザのついた滑車部分は金属製であるため、もちろんミニチュアとはいえ高い耐久性が期待できるのは言うまでもないことだろう。
4つのキットはそれぞれエンジンシステム、トランスミッションシステム、サスペンションシステム、ブレーキ・ステアリングシステムに別れている。
エンジンシステムは一般的なエンジンブロックが内部までしっかりと目で確認できるよう、透明で構成されており、細部まで視覚的に理解することを手助けしてくれる。トランスミッションシステムは前輪部分のトランスミッション周りを全て透明化したパーツで構成され、観察にはうってつけの作りだ。サスペンションシステムは現代的な乗り物のフロント・アクセル周りを忠実に再現しており、サスペンションがマルチにリンクしていて前輪にマッチしていることがよくわかる。ブレーキ・サスペンションシステムキットに含まれるのはホイール盤4枚で構成されたブレーキシステムだ。こういったかさの取りやすい仕組みを6分の1のスケールでコンパクトに確認できるのもこのキットの優れた点である。
全てのキットは必要ないという場合は、それぞれのキットが別売りになったタイプでの販売も行われる予定だ。例えばエンジン部分だけ欲しいということであればエンジンキットのみが送られてくるし、別売りとはいえマニュアルやパッケージもきちんと同梱されて送られてくる。
ちなみに16Vエンジンには通常版とは別に完成品の電動駆動式のミニチュアも用意されている。こちらもミニチュアスケールであるのにもかかわらず、本物と違わないパフォーマンスを電源駆動で見せてくれるというのだから驚きのクオリティと言えるだろう。
MAPは様々な目的を想定して開発されたプロジェクトキットだ。前述の通り機械工学を学ぶための教材としては素晴らしいクオリティを秘めているし、マーケティングキャンペーンの一環としてパーツ単位でギフトとして取引先に贈呈することもあれば、単なるホビーとしても優れたクオリティを持つ一品だ。日本でもミニチュアは一般的な趣味だが、MAPのクオリティは半ば産業用に作られていることもあり、マニアにも評価を得られる高品質であることは見逃せないポイントだ。
MAPは現在Indiegogoで出資を募っており、50,000ドルを目標に支援者を募集している。317ドルの出資でコンプリートキットを手に入れることができるため、興味なる方は出資してみるのも良いかもしれない。