家庭用ゲームや映画、VR体験を4Dへと
進化させるガジェット「Vortx」
これまで実用化されてこなかった家庭用4D体験を実現するVortx
Vortxは世界でも初めての家庭用4Dシミュレーターで、自宅でもオフィスでも自分の好きな空間でバーチャルの自然環境を作り出し、体で体験することを可能にする装置だ。
銃弾が空を切り裂き、迫力のある戦場での爆発のもたらすイメージ効果、あるいは架空の生物であるドラゴンが口から炎を吐く灼熱を想像し、もしそれらが実際に熱を持った描写であればどのようなものであるかを想像してほしい。視覚描写に生の体験をもたらすのが4D効果の役割であり、Vortxの取り組みなのである。
エンターテイメントの進歩は私たちの想像を超え、ARやVRがもたらした視覚・音響効果は娯楽を新しいレベルにまで引き上げる可能性を持っているのは事実だ。しかしこういった進歩もまた視覚と聴覚に常に制限されてきた歴史を持っており、Vortxはこの流れを変えるデバイスになりうる可能性を持っていると言えるだろう。
Vortxの効果の秘密はオリジナルの特許取得済みソフトウェアエンジンに隠されている。エンジンはリアルタイムで映像を分析する適応力の高いアルゴリズムを使用し、映像にある描写を現実世界へとVortxが変換、スクリーンの前にいる人へと風や炎の熱、氷の冷たさなどを伝えてくれるという仕組みだ。
これまでの伝統的な没入感を与えるデバイス、例えば振動する座席やVR、そしてその周辺機器が頭打ちになっている一方、Vortxは既存の環境に外付けできる上、4D体験のために何か別の消費物を用意するコストも手間もかからない。ゲーム開発者や映画製作者はあらかじめ4D設備とすり合わせを行う必要もなくなり、4Dが必要となればVortxが自動的に演出してくれるようになる。
もちろん作品を選ばないため、最新のゲームや映画はもちろんストリーミングサービスで提供される映画やドラマ、さらにはYoutubeの動画や一昔前の映画など、Vortxの映像認識機能であらゆる映像作品が4D対応となるのだ。
Vortxは家庭用エンターテイメントを次のレベルに押し上げてくれるかも
Vortxは既存の停滞したエンターテイメントへの活性化の起爆剤になることを想定して作られた絵バイスである。新しいものをより新しいものへと躍進させることはもちろんであるが、従来のすでに作られたエンターテイメントに新しい価値観を付与することで、それらを再評価・再利用するというエコロジカルな目的も込められているということはある種革命的なポイントになるだろう。
「あの映画をもう一度」のハードルを大きく下げてくれるのもVortxの役割だ。
Vortxはゲーマーによって、そしてゲーマーのために作られたデバイスでもある。そのためデザインも無駄がなく、かつ使い勝手の良い設計になっており、既存のメディア環境に線を一本つなぐだけで4Dを手軽に体験できるようになるのだ。
すでにForbesを始めとする海外のメディアで何度も取り上げられている注目度の高い装置であることも確かで、大きな期待を集めているのがこういった点からもよくわかる。
立体的な4D体験は、環境や自分の好みに合わせてカスタマイズを加えることも可能だ。自分にとって最もリアル、あるいは適度な臨場感を得るために最適の環境で、Vortxを利用することができる。
このプロジェクトはCEO自身のVR体験を他の人と共有したいという思いから始まり、2016年にプロジェクトを開始し、3つのプロトタイプを経てついに製品化へとたどり着いた経緯がある。
Vortx開発チームはかつてハードウェア会社の一部だったということもあり、ハードウェア関連のマーケティングや開発にはそれなりに豊富な経験があるようだ。
ハードウェアの開発はいつの時代でも厳しく困難なものであるが、このVortxは開発陣の努力もあり、クオリティの高い製品を手頃な価格で実現することに成功している。加えて、優秀なマーケティングチームを抱えていることで、クラウドファンディングにおいてありがちな失敗である、生産と流通における失敗のあやを踏まないよう配慮し、量産と販路の確保には経験豊富なスタッフが対応するとのこと。資金調達に成功したのはいいものの、流通に失敗してしまうという心配もなさそうだ。
Vortxは現在kickstarterで資金調達を行なっており、11月中に6万ドルの資金確保を目標に設定している。資金は開発ではなく製品の量産に使われることが考えられ、上述の通り資金を手に入れることができれば後援者は問題なく製品を手に入れることができそうだ。
25ドル以上の支援でVortxの製品をリターンとして受け取ることができるが、支援を考えている場合発送地域が限定されている点は注意したい。
発送は2018年の2月を予定しているとのことだ。