コーディングとエンジニアのスキルを磨ける
D.I.YのAIロボット、NOVA

NovaはArduino言語をベースに動作するAIロボットだ。人工知能やAIと聞けば独立した存在であるように聞こえるが、Novaはオールインワンの人工知能DIYキットとして販売される。

購入者にNovaを通じてプログラミングやエンジニアリングのプロセスを体験してもらうことで、AIそのものを開発するスキルを養う手助けをしてくれるAIロボットとなるのだ。



多機能な人工知能学習キットであるNOVA

Novaを通じて得ることのできるスキルは多岐にわたる。コンピュータービジョンや画像分析・処理、運動力学やコントロール理論などだ。Novaの性能も利用者の補助には十分な力を持っており、人間の顔を認識し、追跡する能力、色彩認識、距離測定、そして5つの軸を
用いた正確な挙動が挙げられる。もちろんジョイスティックを用いてマニュアルによるコントロールも可能だ。

Novaはオープンソースによるプロジェクトであるため、多くのセンサーやガジェットはNovaに組み込むことができ、かつ新しい機能をNovaに盛り込むこともできる。例えば音声認識や射撃機能、利用者が望めば機動性をも付与することができるようになるのだ。マイクやスピーカー、Bluetooth・Wifi接続環境を整え、ホイールを設ければ、Novaは音声に反応し、声のする方へ移動していくような機能を手に入れることができる。Novaはユーザーのカスタマイズ次第で無限大の可能性を発揮することができ、制限があるとすればユーザーのイマジネーションが限界に達したときぐらいのものだろう。

コーディングとエンジニアのスキルを磨けるD.I.YのAIロボット、NOVA


付属のMini Mega開発基盤もNovaの開発には十分なスペックを持ち合わせている。Arduinoソフトウェアとの互換性だけでなく、Arduino Megaに匹敵するスペックを持ったコンパクトな開発基盤として用いることが可能だ。

Novaのサーボシールドは入力・出力ピンの空きに容易なアクセスが可能であれば、Mini Megaとサーボモーターの迅速な接続を提供してくれる。Novaのジョイスティックは四つのポテンショメーターと二つのスイッチから構成されている親指ジョイスティックだ。

コーディングとエンジニアのスキルを磨けるD.I.YのAIロボット、NOVA


NovaはWindowsやMac、Linuxのようなポピュラーなコンピュータへの互換性もあるため、普段使用しているPCを用いたプログラミングも可能だ。ユーザーはAIに慣れていてもいなくても、経験を問わずPCに接続することができ、理想の開発環境を手にすることが可能になる。プログラミング初心者も現役エンジニア、ものの数時間もあればコーディングし、Novaを動作させることができる。もちろんコーディングのためのマニュアルやチュートリアルもQode Share(参考:http://www.creoqode.com/qode-share-login)を用いて共有されているため、それを参照にしながらよりスムーズに、そしてより楽しくコーディングを学ぶことができる。

Novaは初心者にとっては楽しくAI技術を学ぶツールになるのと同時に、AIのプロフェッショナルにとっては自身のスキルを思う存分発揮するための実験アイテムとなるのだ。

包括的な人工知能学習を深めるために開発されたNOVA

Novaの開発者であるCreoqodeは、プロジェクトを通じてハードウェア教育とソフトウェア教育のギャップを埋めるたいという思いからNovaは生まれたと語る。学習者がコーディングを学ぶのに先立ち、実際にハードウェアを組み立てるというプロセスを体験することで、ハードウェアがどのような仕組みで動いているのかを理解してほしいというのが彼らの願いなのだ。

ハードウェアとソフトウェアの両方についてバランスのとれた知識を持っておくことで、デバイスというものについての包括的な理解を得ることができる。Novaはこのような理想に基づいて開発され、人工知能を持ったロボットをハード面で組み上げ、ソフト面でプログラミングし構築するというエキサイティングな機会をNovaは提供してくれていると言えるだろう。
Creoqode社がkickstarterで資金調達を行うのはNovaプロジェクトが二度目である。一度目は「2048」という昨年リリースしたゲームコンソールのプロジェクトであったが、その経験をもとにNovaプロジェクトではさらにプロジェクトが洗練され、すでにCreoqodeはNovaの量産の一歩手前まできているという。資金が目標金額に達した段階で量産を行えるレベルにまで来ているということで、プロジェクトそのものが失敗に終わることはなさそうだ。

開発・生産には問題ないものの、彼らが懸念しているのは発送のプロセスである。世界中にNovaを送り届けるためには各国のレギュレーションに合わせて手続きを踏む必要があるため、それが原因で発送に遅れが生じる可能性はあるとのこと。

現在139ユーロ以上の出資でNovaを一台リターンとして獲得することができる。出資は11月まで募り、うまく資金を調達することができれば2018年の5月から順次発送が開始される予定だ。