オフグリッド使用可の「Gotoky」
緊急時に使用できるネットワーク

コミュニケーションや地図機能、分からないことの検索など、いまや様々なシチュエーションでスマートフォンの使用が欠かせなくなっている。緊急時の連絡手段としても重宝するが、課題となるのがスマホの電波が届く範囲だ。


人里離れた場所では電波の届く範囲が狭く、海外旅行中は電波の利用料金は高額になることが多い。また自然災害が発生した場合は、使用しているモバイルネットワークに障がいが起こる可能性もある。日本では地震、アメリカではハリケーンなどが起こることがあり、こういった電波の繋がりにくい緊急事態こそスマホの利用は欠かせない。そこで今回紹介したいのはオフグリッドで使用できるコミュニケーションネットワークデバイス「Gotoky」だ。

100%オフグリッドのコミュニケーションデバイス「Gotoky」

オフグリッド使用可の「Gotoky」緊急時に使用できるネットワーク


Gotokyはスマートフォンで安全に使用できる100%オフグリッドのコミュニケーションデバイスで、iOSとAndroidの両方に対応したアプリと連携して使用する。Gotoky間で安定したメッシュネットワークを構築して、そのネットワークを安価で利用できるという強みがある。Gotokyはスマートフォンとペアリングすることで1対1やグループ会話が可能になる。コミュニケーション方法は音声とテキストメッセージが用意されているので、状況に応じた連絡手段を活用可能だ。緊急時には現在地を知らせるビーコンを送信することで、Gotokyを所有する仲間へすぐに助けを求められる。他にもナビゲーション機能が用意されていて、他のGotoky所有者がいる場所まで道を示したり、自身のいる位置をGPSでシェアしたり、ルートの記録やリアルタイム追跡、ロケーションピンなど様々な機能が利用可能。スマートフォンとGotokyの接続方法は省電力性の高いBluetooth Low Energyを採用している。

Gotokyは他のGotokyを持っているユーザーとの連絡を可能にするので、山やスキーなど数人で行動を共にする場合にとても役立つ。遭難など万が一の場合を考えて一人一台ずつGotokyを持っていれば、緊急時はお互いに連絡を取れるため重宝するデバイスだ。

Gotokyは現在Kickstarterでプロジェクトを立ち上げて出資を募っている。目標金額は20,000ユーロ(約267万円)で終了予定は2017年11月4日だが、2017年9月24日時点ですでに目標金額を達成している。希望小売価格は58ユーロ(約7,761円)だが、早期支援なら割引価格55ユーロ(約7,360円)でGotokyが1台贈られるとのことだ。

音声とテキストメッセージの交換

オフグリッド使用可の「Gotoky」緊急時に使用できるネットワーク


ここからはGotokyで提供されている機能を詳しく紹介したい。まず紹介するのは音声とテキストでGotokyユーザーと会話できるチャット機能だ。この機能ではグループでも1対1でも音声とテキストを交換できる。POIでロケーションを示すことも可能。録音された音声はすぐにストリーミング再生されて、後から何度でも聞きなおすことができる。

周波数帯が混雑しているときは音声メッセージに時間を要するときがあるが、テキストや位置情報のやりとりではこの問題は起こらない。やりとりができるのはGotokyアプリのコンタクトリストにいるユーザーで、グループリストもこの項目から作成する。すべてのチャットとデータはプライベートで安全なネットワークで保護されているので、チャット内で送った音声やテキストが送信相手以外に漏れることはない。また1対1のボイスチャットでは最大40通、テキストチャットでは300通以上のやりとりを同時に行えるとのことだ。

緊急位置ビーコン

オフグリッド使用可の「Gotoky」緊急時に使用できるネットワーク


Gotokyには仲間とはぐれたときなど遭難時に備えて、緊急で現在位置を仲間に送信するビーコン機能がある。ビーコンを受け取った他ユーザーは、自身のアプリ画面にフルスクリーンでオレンジ色の通知ウィンドウが表示される。ウィンドウをクリックすると遭難したユーザーの位置情報を確認でき、状況に応じて会話を始めることができる。この機能はスマートフォンアプリを介さずにGotokyのみで開始することも可能。スマホのバッテリーがない場合や故障した場合でも使用できるというメリットがある。

ナビゲーション

オフグリッド使用可の「Gotoky」緊急時に使用できるネットワーク


Gotokyには他にも豊富なナビゲーション機能が搭載されている。各Gotokyデバイスは他のGotokyデバイスにGPSで位置情報を定期的に送信している。そのためGotoky自体はユーザー同士が知り合いじゃなくても位置を把握しあっている。GPSで位置情報を送信したくない場合はこの機能を手動でオフにすることもできるので、好みに合わせて使用可能だ。さらにGotokyに搭載されているマップから、近くにいるGotokyユーザーの位置を確認できる。集団行動をしている場合に役立つ機能だ。このナビゲーション機能には通ったルートを記録するレコーディング機能が提供されているので、開始から終了まで簡単にルートを記録できる。

Gotokyはデバイス同士がネットワークを形成するため電波の届かないエリアでも連絡をとることを可能にする。緊急事態の連絡に最適なデバイスだ。