翻訳デバイス「WT2」
目を合わせながらリアルタイムに会話可能
旅行にでかけたときや、反対に自国で海外旅行者に出くわしたときなど、外国語を使う場面は意外と多いもの。旅行用の指差し外国語ブックを持参するのも良いが、今回は持ち運びできる翻訳デバイス「WT2」を紹介したい。相手とアイコンタクトをとりながら会話できるイヤフォン型の翻訳デバイスだ。
外国語でリアルタイムな会話を実現する「WT2」
WT2は母国語が異なる者同士に、リアルタイムで自然なコミュニケーションを実現するイヤフォン型の翻訳デバイス。会話するもの同士が1つずつイヤフォンを装着することでWT2の機能を利用できるため、ハンズフリーで会話することが可能だ。ハンズフリーで会話できることにより、スマホの画面や外国語の本を見ずにコミュニケーション相手と目と目を合わせた会話が可能になる。ボディランゲージやアイコンタクトを交えた、普通の会話と同様のコミュニケーション体験を提供してくれる。
テクノロジーの発展により現在まで様々なランゲージソリューションが提供されてきたが、どれも少なからず欠点があり利便性が高いとは言えなかった。たとえば電子辞書やスマホからオンライン辞書を使って単語単位で意味を検索するのは、時間がかかってしまううえにもはやコミュニケーションとは言えない。最近では無料のオンライン翻訳ツールも充実して、音声入力をするだけで言葉を翻訳してくれる機能も存在する。しかし交互に音声入力をし合うのは集中力が削がれて会話自体が億劫になりかねない。翻訳ソリューションを通した会話というものはどうしても表現のしやすさという面で劣り、通常のコミュニケーションよりも感情が伝わりにくいという場合が多かった。WT2は着用したヘッドフォンが音声を自動で翻訳して相手に伝えるため、相手の顔を見てコミュニケーションを取ることを可能にする。アイコンタクトやボディランゲージで感情表現ができるため、今までとは異なる翻訳ソリューションを利用者に提供可能だ。
WT2は現在、Kickstarterでプロジェクトを立ち上げて出資を募っている。目標金額は50,000ドル(約558万円)で、プロジェクトの終了予定は2017年10月27日だ。129ドル(約1.4万円)の早期支援プランに出資すると、希望小売価格の40%オフでWT2本体が贈られるとのことだ。
パッケージ内容と使用方法
WT2は2つのイヤフォンとアプリ、充電用ケースがセットになって翻訳機能を提供してくれる。イヤフォンを使用することで長時間にわたりハンズフリーで異なる言語同士の会話ができる。充電用ケースにはWT2をスマートに収納できるので、ポータブルに持ち運ぶことを可能にしている。持ち運びに優れているので海外旅行先のホテルやレストラン、地元住民との会話など様々なシチュエーションで活用可能だ。
WT2はもち運びに優れていて、充電ケースから取り出せばすぐに使用できる。ケースを2つに割るように開くと両側にワイヤレスなヘッドフォンがあるので、1つを会話する相手に、もう1つを自身の耳に装着する。イヤフォンが自動的に立ち上がって、アプリで言語などペアリングを行って使用するとのことだ。WT2は今のところ、英語と日本語、中国語(北京)、フランス語、ドイツ語、スペイン語の6か国語に対応している。リリース後にアプリをアップデートすることで、どんどん対応言語を追加していくという。
3つの会話モード
コミュニケーション方法は1つだけではない。WT2は旅行で使用するシチュエーションを複数想定して「Auto」「Manual」「Ask」という3つの会話モードが提供されている。これにより様々な環境に合わせて会話することが可能だ。
Autoモードは静かな環境で会話をするときに使用するモードで、カフェでゆっくりと過ごしているときや家など屋内でじっくり話せる場合に最適だ。手動で操作する必要はなく、WT2に内蔵されたアルゴリズムが会話をリアルタイムに分析し、内容を翻訳して相手に伝えてくれる。反対にManualモードは工事現場や道路付近の騒がしい場所で使用が推奨されている。WT2は騒がしい場所で完全な自動システムを提供できないが、Manualモードを使用することで簡単にWT2を周囲の環境に順応させることができるという。3つめのAskモードは道や値段を聞くなど短めの質問に適している。使用方法は利用者がイヤフォンを装着してスマートフォンを相手に向けるだけ。相手はスマートフォンに表示される翻訳文書を読んで会話するというシステムだ。じっくり会話しない相手にイヤフォンを渡すという状況は気が引けるだろう。そういった心配をしなくて良いのがAskモードだ。
3つの会話モードを備えてハンズフリーで会話できる翻訳デバイスWT2。メガホン型の翻訳デバイスが話題になったが、さらに一般消費者向けの翻訳デバイスの登場となった。