家庭でも使いやすいVPN「ArmorVPN」
外部から安全にデータ保護
多くのモバイル機器をワイヤレスにつなぐことを考えるとWiFiの利用が現実的だ。しかしインターネットにつなぐということは、インターネット回線を利用した外部からの干渉と隣り合わせという危険も考えられる。特に公共のWiFiを利用するときは注意が必要だ。毎日使うものだけに危険に遭遇する確率も高くなってしまう。そういった悩みに答えるのが手軽にVPNの利用を実現する「ArmorVPN」。データを保護して外部からの干渉を遮断してくれるVPNだ。
プライバシーを守るVPN「ArmorVPN」
そもそもVPNとはバーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)の略で、仮想サーバのことを指す。インターネット上にプライベートな通信トンネルを作ることで、外部から干渉できないようにするシステムだ。このトンネルは通信する相手の認証や暗号化により安全なネットワークを構築している。VPNは会社間や学校内で昔から取り入れられているので、耳にしたことがある方も多いだろう。安全性が高いVPNだが利用料金が安いわけではなく設定項目も多いため、個人で利用するユーザーが多いとは言えない。ArmorVPNの開発者は、友人のVPN設定を手伝った経験からヒントを得て同製品を開発した。設定しやすく手頃な価格のVPNの提供を目指している。
ArmorVPNはオンラインを使った外部の干渉を遮断する製品だ。コンパクトで持ち運びやすい本体を実現している。直感的に操作できるタッチスクリーンを採用しているので、機械に詳しくなくてもタッチスクリーンを伴うデジタル製品に慣れた世代は比較的使いやすい製品だ。従来のVPNルーターは高価で大きいものが通例だった。ArmorVPNはワイヤー接続もワイヤレス接続もスムーズに入れ替えて、希望小売価格は70ドル(約7,600円)と手を伸ばしやすい意欲的な製品になっている。対応OSはAndroidにMacOS、iOS、Windows、Linux。様々なモバイル機器で利用できる点も心強い。
ArmorVPNは現在、Kickstarterでクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げて支援金を募っている。目標金額は11,000ドル(約120万円)で、プロジェクト終了予定日は2017年9月20日。2017年8月23日時点で、目標金額の半分以上の7,000ドル(約76万円)を達成している。希望小売価格は先ほど述べたとおり70ドル(約7,600円)だが、55ドル(約6,000円)の支援で充電ケーブルなどがついたArmorVPN本体セットを1つ入手可能。2018年1月から世界中に発送を予定している。
製品の主な仕様については次のとおり。
寸法:幅171mm × 奥行98mm × 高さ29mm
CPU:Quad-core Cortex-A7
電源:100-240V 50/60Hz 0.35A (USB wall adapter)、5V、1.0A (actual)
ポート:Micro USB×1、GbE(ギガビットイーサネット)×2
ワイヤレス:802.11 b/g/n、Near Field Communication (NFC)
タッチスクリーンサイズ:幅95mm × 高さ60mm
バッテリー:6000mAh リチウムポリマー電池
本体のサイズやデータ転送スピードに自信
ArmorVPNの本体をコンパクトにして持ち運びに便利なサイズに落とし込むのは、開発において大きな課題だったとのことだ。ArmorVPNはビジネスにおいてだけでなく家庭内のデータ保護を想定して開発されている。あまりに大きいVPNルーターは個人の消費者には嫌煙されてしまうだろう。本体のサイズの問題は製品を開発するうえで大きな課題となった。この課題に対する大きな解決方法は、できるだけ小さなバッテリーを採用したこと。1度の充電で平均8時間持つバッテリーを採用している。
もう1つ取り組んだ課題はデータの転送速度だ。転送速度が遅くては、いくら安全な環境であってもVPNを使うユーザーは少なくなってしまう。特に一般ユーザーはページ読み込み速度が3秒以上かかってしまうとページを離脱する確率が高くなる。販売するターゲット層を考えると、データの転送速度はクリアしておきたい課題だ。開発者はイーサネット技術を採用することで、転送速度問題をほとんどのユーザーに感じさせないと明言。イーサネットはコンピューターネットワーク規格の1つで、世界中のオフィスや家庭で使用されている。効率よく通信回線を利用できるように設計された通信方法だ。
ArmorVPNはMicro USBポートを1つにGbEポートを2つ搭載。本体前面の端についているLEDライトで、起動状況を一目で確認できる。さらに1年間の保証書とイーサンネットケーブル、充電ケーブル、USB Wallアダプターが本体とセットで付いてくるという。Micro USBポートはほとんどのスマートフォンチャージャーと互換性があるので、車や壁コンセントを使って充電できる点も特徴だ。また開発者はArmorVPNの豊富な色展開や、AndroidやiOSアプリを使ったArmorVPNのコントロール機能の開発も視野に入れていることを明言している。アプリはArmorVPNタッチスクリーンを触らずに本体をコントロールできる機能を搭載することを想定しているとのことだ。