9ドルのIoTプラットフォーム
「Bolt」で開発スピードUP

インターネットとモノをつなぐIoTが注目を集め、徐々に需要が増しつつある。IoTをテーマにしたホテルができるなど、ビジネスや家庭とさまざまな場所で利用が進んでいる。注目を集めて急激に需要が高まると課題になるのは開発スピードだ。


追加したい機能の研究や微調整でも、1から作るとなるとそれなりの時間を要する。技術の進歩と消費者の需要に追いついていくのは簡単なことではない。消費者の需要に素早く答えて、上質な製品を提供するためにIoTの開発を助けるプラットフォームが必要だ。今回紹介する「Bolt」は9ドルで提供されているIoTプラットフォーム。IoTの開発を助けるシステムが整っている。

IoT開発の縁の下の力持ち「Bolt」

9ドルのIoTプラットフォーム「Bolt」で開発スピードUP


Boltは「チップ」と「クラウドプラットフォーム」と「アプリ」がセットになったIoTの開発プラットフォームだ。この3つがそろうことで、IoTの開発を助けてくれる。使い方としては、チップに指令を出すコードをクラウドプラットフォームで書き込む。アプリはiOS版とAndroid版があり、スイッチのオンオフなどコードを設定されたチップの操作や管理をするというものだ。この3つの要素の連携で開発スピードが向上すると予測できる。

Boltは現在、Kickstarterでクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げて出資を募っている。目標金額は38,000ドル(約413万円)で、プロジェクトは2017年9月14日に終了予定だ。9ドル(約979円)の支援で、チップとクラウドプラットフォーム、アプリを含むBoltのIoTプラットフォームセットを入手できる。プロジェクトが達成できれば、2017年11月から世界中に発送予定だ。

直感的に操作できるクラウドプラットフォーム

9ドルのIoTプラットフォーム「Bolt」で開発スピードUP


Boltを活用したIoTの制作で要となるのが、Bolt専用のクラウドプラットフォームだ。BoltのチップはWiFiで接続できるため、パソコンからクラウドプラットフォームを使って遠隔操作でチップを設定できる。プラットフォームの分かりやすいインターフェースでスムーズに各ピンを設定できる点も、IoT開発の効率を上げている理由だ。ダッシュボードからコードを入力できるので、プラットフォーム上でさまざまな作業が一元管理できる。オフラインの状態でもコードの入力と保存ができるため、オフライン状態になってもコードが保存できないというリスクを避けることが可能だ。

プログラミング言語はユーザーの好みのものが選べるという。作業しやすい環境でIoTを開発できるのもBoltの魅力だ。Boltには可視化ツールが内蔵されていて、データの処理状況を可視化できる。これだけではなく、Boltに外部の分析ツールを接続して使用することも可能だ。高性能の分析ツールを接続してIoTの稼働状況を詳細に分析できる。

アプリでIoTをコントロール

9ドルのIoTプラットフォーム「Bolt」で開発スピードUP


BoltにはiOS版とAndroid版のアプリが用意されている。このアプリではクラウドプラットフォームへの接続や、IoTのモニターとコントロールが可能だ。外部サービスのTwilioやMaligun、IFTTTを使用すれば、通知システムを活用できる。たとえばIFTTTはソーシャルメディアやWebサービス、スマートデバイスを連携させるWebサービスで、設定次第でさまざまなアクションを生み出すことが可能だ。起きたときにFacebookを起動する習慣があるなら、朝の限られた時間にFacebookを起動したらコーヒーを入れるように設定してみるのもいいだろう。リビングについたらすぐに朝のコーヒーを味わうことができる。

またアプリからは共有オプションを設定できる。共有オプションから共有するユーザーを選べば、そのユーザーもIoTの監視・管理が可能になる。職場や家庭で同じIoT製品を共有しているユーザーが複数いるシチュエーションは多いのではないだろうか。そういった場合にIoT製品を使用できるデバイスを1人だけ持っているというのはとても不便な状況だ。Boltのアプリを使って共有できるユーザーを増やせば、他のユーザーもIoT製品の監視・管理できる。ワンタップで共有するユーザーの増減をコントロール可能だ。

Boltの活用方法

現在Boltを使ったIoT制作方法がいくつかKickstarterのプロジェクトページなどで公開されている。チップの組み立てからダッシュボードを使ったコードの設定まで一連の流れを確認可能だ。

https://youtu.be/YY8tpsK_C9I
こちらはBoltを活用して土壌の水分量を確認するIoT製品を制作している動画だ。チップに土壌の湿り気を確認するセンサーを取り付けて、ダッシュボードでコードを書き込んでいる。ピンの設定方法やコード入力方法など、同様の製品を作ろうと考えているユーザーにとても参考になる動画だ。

https://youtu.be/RDnTYlOkhWY
こちらはBoltを使ってホームオートメーションを設定している動画。各コードの接続方法が参考になる。接続するコードや設定によってさまざまなIoT製品を実現できる。

BoltはWiFiチップとそれを設定するプラットフォームに、管理するアプリとの連携でIoT開発に貢献するシステムだ。IoTの需要が増す中で開発者の力になるかもしれない。