ものづくり現場DX、IEEE標準のイーサネット規格を5G通信網で

通信環境にリアルタイム性と高い信頼性が求められる。現場では従来有線網が主だったが、スマートファクトリ化が進展し、多様な設備・機器が通信連携する近年、レイアウト変更の柔軟性や保守性向上などの観点から、構内ネットワークの無線化ニーズが急増している。

特に、産業用途で用いられる高精度な時刻同期・低遅延通信技術「TSN」(IEEE規格解説PDF)を第5世代移動通信ネットワーク上で実現する技術「TSN over 5G」への関心が高まっているという。村田製作所ソフトバンクCLPAは、通信事業者で世界初だという当該技術の接続実証に成功。エンドユーザーによる同技術の活用に近づいたとした。

今回の実証はソフトバンク提供プライベート5G環境にて、村田製作所提供「TSN Translator」のソフトウエアを用いて、時刻同期プロトコルgPTPに基づき、情報送信ネットワーク側機器と受信処理端末との間で生じる時刻差をCLPAが評価した。結果、3GPP Rel.16の要求レベル900nsを大幅に下回る平均122nsの高精度同期を観測した。

工場や製造現場での稼働に向けた評価として、シームレスなエンドツーエンド通信制御検証も、産業用機器を用いて行った。結果、通信網と同機器間で産業用イーサネット規格「CC-Link IE TSN認証Class B」の要求水準/誤差1μs以下での時刻同期を保ちつつ、6時間超の連続通信を成し遂げた。今般の成果は――

「MWC Barcelona 2026」のMurata Electronics Europeブースで展示予定であり、産業ネットワークの無線化にとどまらない。AIとロボットや設備とが緊密連携する、フィジカルAIの基盤技術として活用を見込んでいるという。3者は上記実証で得られた知見を生かし、5Gを活用した新たな産業用途の創出やフィジカルAIの社会実装をめざしていく構えだ。