企業等が用いる大規模IT(情報技術)システムにおいてはウォーターフォール開発という手法が代表的である。ソフトウェアは、その要件定義から設計、実装、結合テストまで、工程ごとに品質を確認しながら開発が進められていく。
今月17日、富士通は、企業・団体のもとで変化し続ける複雑な大規模システムをAIエージェントが理解し、ソフトウェア開発の各工程を担う複数のAIエージェントにて全工程を自動化する基盤"AI-Driven Software Development Platform"を開発したとした。同基盤は大規模言語モデル「Takane」(加Cohereとの共同開発品)と、富士通研究所が開発した大規模システム開発向けAIエージェント技術――
①法令文書を網羅的に理解して法令の変更内容を分析し、設計書やソースコードと突合し改修要件・改修箇所を特定する法令理解技術、②ノウハウや開発ルールを理解し、それらを踏まえ客観的に品質検証を併行する自律設計・監査技術、③AIによるテストシナリオ探索をして、要件への適合性を確認する網羅的な組み合せテスト仕様とテストコードを生成する結合テスト生成技術――を活用する。
富士通Japan提供全67(医療・行政分野)業務ソフトの法改正に伴う改修に向けて、今年1月より2026年診療報酬改定に伴うソフトウェア改修に適用を開始した。同基盤は'24年度法改正に伴うソフトウェア改修における実証実験で、約300件の変更案件の内1案件について、従来手法で3人月要していた改修期間が4時間に短縮できた。生産性を100倍に向上できる効果を確認しているという。
同社は2026年度(決算期:3月末日)中に同基盤の適用範囲を金融・製造・流通・公共などに拡大し、顧客やパートナー企業にもサービス提供を始めていく。そして、システム開発の在り方をAIドリブンへと変革し、業界のスタンダードを目指す。