Ether系と全光ネットワークとでFA機器をリモート監視・制御

製造現場のデジタル化や遠隔監視・制御のニーズが高まっている。今日だが、定時制や異種プロトコル混在を可能とするEthernet系通信網を従来の拠点間通信網と接続しても、通信の遅延性能や安定性が要求水準を満たさず、産業用機器を遠隔リアルタイム監視・制御することが困難だ。

従来の拠点間通信網は、工場等で産業用機器を適切に制御して実現する機能安全の確保要求事項――安全通信機能(IEC62061 SIL3、参照:厚労省PDF)も備えていなかったという。NTT東日本三菱電機CLPAは、CC-Link IE TSNを実装した産業用機器群を遠隔地点に配置し、IOWN「APN」を介して最大1,600km離れた場所でリアルタイム監視・制御する実証に成功した。

NTTe-City Labo内の「IOWN Lab」に同TSNのマネージャ局を搭載したシーケンサを、約20km離れたeXeFIELD AKIBAにローカル局を搭載した同機器やリモート局に当たるリモートI/Oを設置し、両拠点間をAPNの実回線で接続した。結果、実測した遅延性能とゆらぎの性能が同TSNの仕様を十分に満たしていて、正常に通信できることが確かめられた。

さらに、OTN Anywhereの遅延調整機能を用いて、擬似的に約1,600km離れた地点間をAPNで接続し、安全通信機能を有するCC-Link IE TSNによってリアルタイム通信できること、そして遠隔地間でも機能安全を確保できる可能性があることを認めた。今回、Class BのCC-Link IE TSNにて実証を行い、通信ノード間の同期精度が1µs以下であることを確認している。

同実証技術を来月「IIFES2025」にて紹介するという。3者は、デジタルツインを活用した生産の効率化やカーボンニュートラルの推進をサポートし、日本のモノづくりの課題解決と競争力強化に貢献していく構えだ。