生成AI搭載VDRプラットフォームでM&Aの士業業務を効率化

日本のM&A市場は、仲介主導型から会計士・弁護士等が主導するFA型へと移行が進んでいる。よって、契約・財務・知財などの膨大な文書を精査する必要性が高まり、現場ではその負荷が問題となっている。

類似案件知見の活用不足、弁護士・会計士間の情報連携の煩雑さ、作業履歴や権限管理に関する統制の難しさといった課題も顕在化していたという。リーガルテックは、M&A現場におけるデューデリジェンス(DD)、契約レビュー、知財評価業務を効率化する次世代型AI搭載VDR(仮想データ室)システムの提供を開始した。新サービスは国産VDR基盤「リーガルテックVDR」に生成AIを組合わせることで、M&A業務の効率化と標準化を実現する。

生成AIナレッジシステム「AI孔明 on IDX」(運営:AIデータ)との連携が土台で、買収対象企業の契約書・財務データの自動要約・分析、知財ポートフォリオの構造化と簡易スコアリング、DDフェーズでのQ&A対応のAIエージェント化、クロスボーダー案件における英語⇔日本語変換支援での活用が可能であり、法務・会計・知財領域の士業が従来数日を要したレビュー業務を数時間に短縮する効果が期待される。

生成AIによる要約・比較分析・ナレッジ統合を可能とし、M&Aにおける煩雑な業務を大幅に省力化する。重要項目の自動抽出・要約によるレビュー効率化、RAG(検索拡張生成)による過去案件ナレッジの即時参照、ナレッジ統合による士業間の共通基盤化、VDRによる証跡記録・権限管理の一元化などの機能が評価されている――

リーガルテックVDRは、国産かつ士業特化のM&A支援基盤として、プロフェッショナルファーム・法律事務所・大手監査法人を軸に導入が進んでいるという。同社は同基盤について、生成AIの機能拡充とクロスボーダー案件対応を強化し、日本におけるM&Aプロセスのパラダイム転換を支える存在をめざす構えだ。