ロボット/AI
日本国内の対話型AIエンジン/デジタルヒューマン市場は右肩上がり

音声やチャットなどでの問合せに、音声認識・合成機能、自然言語解析技術を活用し、オーディオ等による双方向形式での回答を実現する製品やサービス――対話型AIエンジン/デジタルヒューマンは、コンタクトセンターや実店舗での顧客体験を向上させる有力な手段として注目されている。
しかし現時点はまだ普及の初期段階にあり、日本語特有の文法や言い回しへの対応、ハルシネーションやバイアスの抑止、AIによる自動対応から有人対応への円滑なハンドオーバーの実現など、克服すべき課題も存在する。企業においては、単なる自動化・省人化のためのツールではなく、自社のアイデンティティを体現する戦略的なソリューションとして、中長期的な視点で取り組むことが求められる――
とプリンシパル・アナリスト舘野真人氏がいう。ITRは18日、日本国内の対話型AIエンジン/デジタルヒューマン(大規模言語モデル:LLMの基盤サービスを除く)市場規模推移および予測を発表した。同市場の2024年度の売上金額は12億9,000万円、前年度比46.9%増と大幅な伸びを記録した。25年度も同45.7%増と引き続き高い伸びを予測している。
市場規模はまだ小さいものの、近年のテクノロジの進化や企業での導入事例の増加により、市場認知度および導入機運は徐々に高まっている。特に、人間に近い顧客対応を自動で実現できることから、新たなサービスの創出や接客業務の効率化などを目的に導入が進み、今後もさらなる拡大が見込まれる。同市場のCAGR(24~29年度)は33.6%、2029年度には55億円に達すると予測している。
上記内容については、画像認識、OCR/IDP、音声認識、音声合成、対話型AIエンジン/デジタルヒューマンの全5市場を対象とした同社の調査レポート『ITR Market View:画像・音声認識市場2025』に詳細が掲載されている。