医薬品配送業務DX、現場作業品質・効率アップと管理業務の高度化へ

国内に流通している数多くの医療用医薬品を安全・安心に医療機関へ届ける。そのために、近畿2府4県に32の営業拠点と3つの物流センターを備え、地域のヘルスケアを支えているという。

ケーエスケーと、日立は、医薬品の配送業務DXに関する協創を始めた。前者は後者のLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics(HDSL)」を活用し、現場熟練者の経験やノウハウを基に行っていた配送関連の手仕事をデジタル化し、配送・作業実績データの一元管理もして、ドライバーによる出荷時の検品・配送・納品業務の効率化を図る。

①倉庫内・配送業務のデータをHDSLで一元管理し、現場を見える化・最適化、②配送計画の自動立案で、計画作成とドライバー間のルート調整の時間を短縮、③スマホアプリの活用による倉庫内・配送業務の効率化・高度化をめざす。これら機能の連携と、PDCAサイクルを回すことにより、ドライバー業務の実態把握、最適配送ルートの選択、倉庫内作業効率の向上を実現――

業務の自動化・効率化・最適化により、フロントラインワーカーの生産性やウェルビーイングの向上を支援するという。ケーエスケーの大阪支店で今月、HDSLと統合物流管理システム「HITLUSTER」の連携による医薬品出荷時の倉庫内での荷合わせ検品、および得意先での商品受領のデジタル化と、倉庫・配送業務の実績データを活用した配送計画の自動化や配送管理について、実用化に向けた試験運用を開始。

リアルタイムに一元管理された現場データを収集・分析するサイバーフィジカルシステムの実現により、現場作業の効率や品質を上げると同時に、管理業務の高度化につなげるという。両社は、上記大阪支店で導入する医薬品の倉庫内での出荷時の検品、および得意先での商品受領行為のデジタル化を、近畿2府4県の全32支店に展開する予定だ。