AI&モバイルアプリの活用により高品質な臨床データ取得を支援

医療・ヘルスケア分野でもDXが推進されている。今日、ウェアラブルデバイス利用系臨床研究では、被験者の継続的デバイス装着と、安定的・持続的データ取得が必須で、研究担当者による当該状況の目視確認およびデータ欠損・異常時の個別対応を要する。大きな手間と人的コストが掛かっていたという。

テックドクターは、複数のウェアラブルデバイスや医療機器と連携し、医学的知見に基づいたデータ解析を行うことに特化したDXプラットフォームであり、連続的かつ長期的に取得される大量のデータを手間なく管理・解析できる、これまでに100件超の研究で活用されている、臨床研究支援システム「SelfBase」に、AIによるデータ取得支援機能を追加した。

今回の機能追加では、被験者ごとのデータ取得状況をAIが監視し、計測漏れや異常値を検知してアラートや示唆を提示。平日と休日の行動パターンや生活リズムの違いなどをベースに、画一的な基準では見逃されがちだった異常パターンをより精緻に検出するための動的な解析機能の実装も視野に入れている。問題検出時には、介入タイミングや対応方法について、AIが基本的な対応案を提示する。

これにより、1000人規模の大規模研究においても、高精度かつ安定的なデータ取得が可能となり、運用効率と研究品質の向上を同時に実現するという。AIによるデータ取得支援機能に加え、今回、日本で市場シェアの高いApple Watchからのデータ取得を簡便に行える被験者向けアプリを新たに提供する。

被験者は同アプリでQRコードを読み取るだけで、Apple Health経由でのデータ提供の同意と連携設定を容易に完了できる。一方、製薬や食品企業、アカデミアなどの担当者は、被験者数の規模やデバイスの種類を問わず、質の高いデータ収集と多角的な解析が可能になるという。同社は今後も臨床研究の効率化とデータ品質の向上に貢献していく構えだ。