データ利活用基盤とデータアクセスユニットで生産管理の高度化を実現

製造業にてDXが進む。多様なデータの統合・可視化・分析が、客観的かつ素早い経営判断や継続的な業務改善につなげられている。そうした取り組みの持続的推進には、生産現場や業務システムに点在する各種IT/OTデータの効率的な収集・統合が重要だが――

工作機械やロボットは、種類やメーカーごとに通信プロトコルやデータ項目が異なり、OTデータの収集や有効活用が課題になっているという。日立は、IoT/データ利活用を支援する自社の「HIPF」と、たけびし「デバイスゲートウェイ」を連携させた技術検証を行い、ノーコードでメーカーや世代の異なる産業機器のOTデータをクラウドに収集できることを確認した。

同検証結果に基づき、生産業務の品質・リスク管理の高度化を実現する製品トレーサビリティソリューションを23日より提供する。新たな仕組みはERPの生産計画やMESの品質管理などのITデータに加え、生産設備の稼働状況やセンサー情報などのOTデータも活用した高度な製品トレーサビリティを軽く実現する。日立の知見・ノウハウを活用し、AIによる追跡作業の自動化や製品不良の予兆検知等を行うことも可能だという。

HIPFのデータ収集機能「Hitachi Data Hub」と上記デバイスゲートウェイとの連携により、各種産業機器のOTデータの収集もノーコードで容易に行える。「IoTコンパス」と高速データアクセス基盤「HADB」を用いて、収集したIT/OTデータと製造工程をひも付ければ、仕掛品や製品の状態を適時把握できるようになる。

対象を工場全体にすると、各部品の仕入先、組立・作業方法、検査内容、完成品の納入先まで追跡できる仕組みを構築できる。これにより、迅速で効率的な不具合原因の調査(トレースバック)や影響範囲の特定(トレースフォワード)を実現し、品質管理の向上や適正なリコール範囲の確定などリスク管理の強化に貢献するという。