減便や路線廃止が相次ぐ、バス業界では自動運転の導入が期待されている。レベル4自動走行では、警察庁ガイドラインに則した遠隔管制(車両情報や映像でリアルタイム監視)が必要だが、都市部や観光地などの混雑したエリアでは通信が不安定になるなど課題がある。
安全走行には死角上の一般車両や歩行者などを適切に検知し、車両制御することも求められるという。NTT Comを代表機関としたコンソーシアム9社は、横浜市と共同で自動運転バス走行に関する実証実験を8日まで実施中だ。同実証(各社役割PDF)では最先端の通信技術と、路車協調システム(各種インフラ連携)を活用することで混雑エリアにおいても安全に自動運転が実現可能かを検証する。
移動を伴う通信でIOWNの構成要素「Cradio」を用いて複数の無線通信品質の劣化を予測し未然切替えすることは日本初。今回、「先端通信技術を活用した遠隔監視システムの実現」「路車協調システムによる安全な自動運転サービスの実現に向けた路肩情報の活用」についてそれぞれ検証する。年間約100万人が来場し混雑するよこはま動物園「ズーラシア」付近で、自動運転の社会実装に向けた課題を明らかにする。
10時半~16時半、自動運転レベル2HINOのポンチョを同園周辺約2㎞で運行する。改正道交法第九条の二十九に則った遠隔監視システムをズーラシアに設置。当該システムの視察も、共に天候次第だが試乗専用乗車予約サイトから申し込める(乗車定員10名/便)。そして、相鉄バスは公共交通ネットワークの維持・拡大を通じた持続可能な街づくりに貢献していく方針だという。
9社は、各地域での自動運転普及に向けた実証事業のさらなる展開を進めつつ、2027年までに各技術の自動運転サービスへの商用適用をめざす。この度の実証は、総務省「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に採択されて実施するものだ。