日本酒と一期一会のスペシャル体験を代替不可能なトークンにして販売

「Made in Japan」は高品質・高信頼の証だと海外でも人気が高い。日本酒は、日本食ブームなどで輸出量が伸びているけれど、国内では他の酒精飲料との競合や若者の飲酒離れなどにより出荷量が50年間で2割程度にまで落ち込み、酒蔵の減少が続いている。

農水省「日本酒をめぐる状況」(PDF)にそれが示されている。他方、ブロックチェーンを基盤とする新しい価値交換手段であり、一層発展が見込まれるWeb3――。商品や体験の引換権や所有権をデジタルアセットと紐づける「モノのトークン化」市場規模は'30年までに16兆ドル規模に成長する(出典:BCG英文資料)という。

TISSAKEXは24日、米鶴酒造が提供する日本酒と特別体験をNFT(非代替性トークン)として販売する実証実験を開始した。日本酒の新たな流通経路や生産者と消費者の継続した関係づくりに寄与し、日本酒とその生産地域が持つ魅力や背景価値を発信する。特別体験では同酒造社長との語らい&限定初しぼり特別酒と山形県産食材を使ったコース料理とのペアリングが楽しめるスペシャルディナーを提供する。

「トークン活用型ブランディング支援サービス」を活用する同実験では、ECサイト「SAKEX」で、『米鶴 米の力 特別純米 亀粋』と特別体験トークンイクタマコト氏デザイン)をセット販売――。購入者はそれらを自宅で味わった後、同トークンがチケットの上記特別体験に参加できる。さらに、参加者限定アイテムでありデザイン極秘の「ファン証明トークン」を通じて、地域や造り手との継続的な関係構築が可能になるという。

両社は上述の仕組みの本格的販売に加えて、伝統工芸品など日本酒以外の商品・体験への展開を目指す。ファン証明トークン保有者向けに地域観光施設・飲食店等での特典提供、コミュニティ形成実現も目標にする。と同時に、トークン軸での経済圏確立や地域活性化を検討していく構えだ。