本邦初、EVの走行傾向などを見える化するレポートを提供

今世紀後半に、温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と、吸収源による除去量との間の均衡を達成することを、世界120超の国と地域が合意した。「2050年カーボンニュートラル」を宣言した日本でも、電動車の普及促進は社会的に必要とされている。

また経済産業省の「充電インフラ整備促進に向けた指針」において、公共用の急速充電器3万口を含む充電インフラ30万口の整備を2030年に向けて目指すことが掲げられているという。三菱自動車ゼンリンおよびゼンリンデータコムは、国内初となる電動車の走行傾向等を可視化する「EV行動分析レポート」の提供を開始すると今月20日に発表した。

同レポートは、三菱自動車の電動車から取得した1日の走行距離や走行エリア、充電場所、SOC(充電率)および公共充電器での充電履歴などを匿名化し、ビックデータとして、ゼンリンが保有する地図情報やゼンリンデータコムの位置情報解析プラットフォームとかけ合わせることで、国内における電動車の利用傾向を可視化する。有償で提供する。

35年度までに電動車の販売比率を100%にすることを目指していて、EVから取得した各種データを活用することで、充電インフラの更なる普及の後押しをしたい。時空間データベースを整備し今回EV充電スタンド情報を提供し、ナビメーカーや自治体など各種事業者へのデータ提供を通じ、EV普及・利用者満足度向上への貢献を図る。昨年から電動車両データ管理システム「e-mobilog」を提供、企業・団体のEVシフトによる課題解決に寄与する。

自治体やインフラ事業者等は、将来的な電力需要やインフラコストの試算、充電器設置場所の検討を行う際に同レポートを役立てられるという。3社は、顧客の要望に応じたレポートを作成し、計画的な充電インフラの整備・拡充による電動車の普及促進に尽力し、カーボンニュートラル社会の実現をサポートしていく考えだ。