製造現場で人手不足が深刻化し、工場の安全稼働に不可欠な設備点検業務の負担が増大している。そこで、設備のメーターなどをカメラで撮影し、AIで読み取ることで点検業務を効率化するサービスを、固定カメラとスマホカメラのハイブリッド利用に対応したSaaS型で今年2月に提供開始したという。
シャープ傘下のAIoTクラウドは、手軽・低コストなスマホや、巡回不要な固定カメラで工場設備のメーターなどを撮影して、AIで読み取ることで点検業務を効率化する「WIZIoT遠隔監視」サービスについて、今月19日よりアップデートを行っている。
今回の更新では、従来のアナログ/デジタルメーターやランプに加え、食品・化粧品の工場や化学プラントにおいてタンク・ボイラーなどの流量計や液面計に広く利用されている「フロート型・レベル型メーター」のAI読取に対応。スマホカメラをメーターにかざすだけで点検できる連続自動撮影にも対応したことで、目視点検記録の時間を約50%短縮(同社調べ)でき、点検に不慣れな人でも簡単かつスピーディーに作業をおこなえ、点検業務の効率化が図れる。
一部の工場では、地下など電波受信困難エリアが存在する。そのため、ネットワーク接続状況を自動で判定し、オフラインでも点検が可能となる機能を追加した。通信圏外でメーターを撮影した場合、当該画像はスマホに保存される。通信圏内に移動後、手動でそれら画像データをクラウドにアップロードすると、まとめて読取処理ができる。この新機能により、ネットワーク環境に依存することなく、スムーズに点検作業が進められる。
今後も顧客の課題や要望に合わせ、同サービスの機能拡充や他業務ツールとの連携を図っていく。同社は、これにより業務効率化やコスト削減、さらには働き方改革・省人化に貢献していくという。「WIZIoT遠隔監視」サービスについて、2週間の無償トライアルプランを用意している。