人とロボットが共働・共生する、仕組みをホテルから広げていく

訪日客数が急回復した。2023年の延べ宿泊者数は前年比37.1%増の6億1,747万人、外国人宿泊者数は同613.5%増の1億1,775万人――コロナ禍を経て再び、国内宿泊客やインバウンド需要が急増している。

観光庁が今年6月に確定値を公表した「宿泊旅行統計調査」(PDF)に上記数値が示されている。一方、ホテル業界では労働環境や離職率の高さから人手不足が深刻な課題となっていて、その改善策の一つに、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性向上の取り組みが挙げられるという。

TISは4日、同社のマルチロボットプラットフォームに、「ホテル向けロボット活用テンプレート」を追加した。同テンプレートは、ホテル内で稼働する清掃ロボット、配膳・下膳ロボット、配送ロボットを統合管理するためのサービスであり、各ロボットの運用計画の策定、運用状況のモニタリング、アラートの管理等を行う仕組みを有し、同社オフィスならびに様々な企業で導入・運用中のロボットによる配送、清掃、配膳・下膳業務をもとにノウハウを集約したものだ。

マルチロボットプラットフォームRoboticBase®を採用しているので、「ロボットの活動エリアの拡張」「ロボット業務の拡張」が柔軟にできる。同テンプレートの利用により、「短期間・低コストでのサービスロボット導入」「ロボットメーカを問わず活用可能」「ホスピタリティ向上」「機会損失回避」「サービスロボットの豊富な運用実績とノウハウ」が期待できる。

現在、病院での検体搬送業務や薬剤搬送業務、飲食店での案内業務や配膳・下膳業務を統合管理するためのテンプレート開発を進めているという。同社はこれからも、人とロボットとの役割分担を進めることで、業務効率化やコスト削減を図り、Withロボットによる新しい時代の新しい働き方や、人とロボットが共働・共生する社会の実現を目指していく考えだ。