書類開示プロセスDX、有価証券報告書等の監査業務を自動化・効率化

ビジネスが多様化している。さらに、有価証券報告書等の財務諸表における要開示内容が年々増加かつ複雑化している、日本企業の開示書類作成およびその監査対応に係る事務負担は拡大の一途である――。

企業による開示書類の作成は、監査法人による監査の完了までが一連の業務であり、企業の開示プロセスおよびその監査に係る全ての関係者の業務効率化を達成するべく、2022年秋にプロジェクトを発足させることを決定した。EY新日本宝印刷は今回、有価証券報告書等の開示に係る監査自動化システムの運用を開始したことを24年8月15日に発表した。

後者の開示システム「WizLabo」に格納される企業の決算データおよび開示データを前者に連携するためのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)と、有価証券報告書等の監査業務を効率化するシステムが完成した。同システムは、WizLaboのLight/Plus/Oneを利用中である日本基準採用企業が導入できる。

API連携に強みを持つ宝印刷のWizLaboと、会計監査の豊富な経験を持ちテクノロジーと監査手法の融合を進めているEY新日本の知見を集約し、企業の開示プロセスの負担軽減、適時な監査完了による決算早期化に寄与する。これにより、別々で動いていた開示書類の作成プロセスと監査をシームレスにつなぎ、日本企業の開示プロセスの利便性向上を実現する。

300社超の上場企業監査での活用を目指し、段階的に導入社数を増やしていく。同システムの導入については――様々なソフトウェアベンダーとデータ連携の取り組みを進めていて、最新テクノロジーを活用した仕組みの構築により監査提出データの準備や授受に関わる企業負荷を軽減する。単体・連結・開示プロセスにおいて、監査で必要となるデータ加工や検証を自動処理するシステムの構築を進めている――EY新日本が窓口になるとのことだ。