銀行や証券会社等で実績のあるマネロン対策システムを保険業界へ

組織犯罪やテロ活動が活発化している。近年、金融分野では非対面取引やキャッシュレス決済が進展し、犯罪者やテロリスト等によるマネー・ローンダリングの手口も高度化・複雑化していて――、生命保険業界でもそれらに対する管理体制の強化や仕組みの導入・高度化の流れが拡大するだろうという。

DTSは、マネー・ローンダリング対策システム「AMLion」の生命保険業界版を7月1日に提供開始する。同システムは、国内外の最新ガイドラインに対応したマネー・ローンダリング対策/テロ資金供与防止(AML/CFT)パッケージソフトであり、生保業界でのシステム開発・製品導入ノウハウを組み込み、業界固有の要件とニーズにも対応している同版は、保険業界向けのマネロンガイドライン(金融庁ポータル)への適合に特化している。

「審査システムと連携して、保険契約審査の早期化」「経済制裁リスト24時間ルール等への対応」「1,000万超顧客規模の取引データを扱うこと」がそれぞれ可能で、海外製品に実装されているような高機能を比較的安価に提供、顧客要望に合わせた柔軟なカスタマイズが低価格で実現可能、漢字の表示ゆれに対応する高度なあいまい検索で検知漏れを防止といった特長を備えた。

AML/CFTシステムに要求される取引モニタリング機能(TMS)、ウォッチリストスクリーニング機能(WLS)、取引フィルタリング機能(WLS-R)、顧客デューデリジェンス機能(CDD)を一つの製品で実現しているうえに、部分的な導入もできる。WLSは金融庁マネロンガイドライン(PDF)対応として大手証券会社、大手ネット銀行に導入されている。そして今回の生命保険業界版は、すでに国内の大手生命保険会社での採用が決まっているという。

同社は、今後のFATF第5次審査に向け、生命保険各社への提案を強化し、金融のあらゆる業態のAML業務の高度化・効率化に貢献していく構えだ。