アンテナ共用サービスにより5G環境を効率化、テナント満足度アップ

街中での動画視聴は「ギガ」を食う。そうした大容量通信を必要とするユースケースが増加していて、モバイル通信の月間平均トラヒックは2020年3月の5Gサービス開始から約3年間で約1.7倍となり、今後も増え続けると予想される。

総務省『移動通信トラヒックの現状(令和5年12月)』PDFに上記数値が示されている中、携帯キャリア各社はビル屋上や電柱や鉄塔等に5G基地局を追加してその対応を行っている。5Gはしかし、電波特性上、建物内に電波が届きにくい。そのため近年屋内にも基地局を設置し、通信環境を改善することが求められているという。

オプテージは今月25日より、5G通信を軸にしたビル・商業施設向け屋内インフラシェアリングサービス――シェアリングDAS(共用・分散型アンテナシステム)各携帯キャリアの無線機からの電波を一つのDAS装置に集約し、各フロアに設置する複数のアンテナから携帯キャリア各社の電波を送受信する仕組み――を提供し、建物内の良好なモバイル通信環境の実現を支援する。

これまで携帯キャリア各社に鉄塔や電柱等の屋外基地局サイトや携帯キャリアの通信設備までの伝送路(光ファイバーネットワーク・通信局舎)を提供してきた同社は今回、各社の電波を一つのアンテナにて送受信することで建物内の通信環境を改善する。同サービスを提供して、屋外から屋内までの全ロケーションにおける携帯キャリアのエリア拡大をサポートする。

通信設備を共同利用するシェアリングDASの活用により、携帯キャリアは通信設備の設置・運用・保守にかかるコストを削減できる。ビルオーナーは建物内の省スペース化、良好な通信環境の提供によるテナント満足度向上などの効果を期待できるという。同社は、携帯キャリア、ビルオーナー、テナントそれぞれにとって価値あるサービスを届け、社会基盤である通信環境の整備を通して、より豊かな未来の実現を目指していく構えだ。