情報通信
業界のデータスペースに接続できる正当な証明書への変換技術を確立
企業間でデータを連携・共有する動きが盛んだ。なかでも、各参加企業のデータ主権を守りながら非中央集権型で安全にデータ共有を行う概念「データスペース」は各国、各業種のものが設立され、規約や指針の策定が加速している。
様々なデータスペース(参照:IPA)に簡単・安全に接続するためには、参加者間で信頼できる相互運用性の確保が重要だ。それにはデータスペースに接続する企業の真正性を確認する手段が必要となる。そしてその確認には既存機関発行の証明書の活用を要するが、各国・各業種で運用される基盤は証明書のフォーマットやプロトコル、真正性の確認プロセスといった仕組みが異なる、課題があったという。
富士通は、データスペースにおける参加企業の正当性証明の相互運用性を高めるIDYX Trust Interconnect技術を新開発した。①証明書フォーマット変換、②プロトコル変換、③真正性確認で構成された同技術について今回、グローバルで広く利用されているOpenID Connectにて作成した企業証明書をVC(検証可能な資格証明)へ変換する仕組みを構築し検証した。
同技術をTractus-Xに組み込み、日本企業が欧州データスペースに参加する筋書きで、デジタル庁のgBizIDを模した環境での認証を行い、その認証情報を基に同データ空間に接続できることを世界で初めて確認した。成果をハノーバーメッセ2024で披露する。NTT Comの協力を得て行った今般の実証は、欧州自動車業界のデータスペース「Catena-X」のグローバルPoCの一部に位置付けられているという。
同社は、欧州データスペースに欧州外の企業が参加しやすい仕組みを構築するため、上記実証を通じて高度なトラスト技術を確立し標準化を目指す。「Fujitsu Uvance」のもと、世界をシームレスに安全に繋げる「Hybrid IT」の取り組みを進めていく構えだ。