行政DX、金融機関との間での差押業務をデジタル転換

行政機関から受け取った債権差押通知書の内容を金融機関が確認する。そして、後者が滞納処分結果を前者に返送したのち完了する。郵送ベースの差押業務は、行政機関にとって、結果入手に日数が掛かるうえに、電子化の進む預貯金照会業務とシームレスに連携できないことなどが課題だ。

かたや金融機関にとって、それは緊急かつ慎重に対応するべき、人的負担の大きい業務になっているという。埼玉りそな銀行NTTデータAGSは15日、埼玉県加須市にて「pipitLINQ®差押電子化サービス」を活用した業務を開始した。今後同行と県内各自治体は、当該新サービスの導入――埼玉りそな銀行と加須市が全国初――により差押業務の一部を電子化し、手続きの短縮化へ向かう。

同行は県内61/64自治体で「pipitLINQ」預貯金等照会電子化サービスによる業務効率化を実現。行政DXの後押しを目的に、「AnserDATAPORT®」等でも実績豊富なNTTデータと協業している。一方、預貯金等照会電子化サービスの埼玉県内特約店であるAGSは、総合行政システムやクラウドサービスの提供などを行っていて、導入に伴う自治体側のシステム連携の負荷軽減の支援と合わせて、pipitLINQを販売している。

金融機関から行政機関へ滞納処分結果を伝える際、現行法で必要な債権差押通知書の送付に加えて「pipitLINQ®差押電子化サービス」のデータも併せて送付することで、行政機関は滞納処分結果を従来より迅速かつ正確に把握することが可能になる。確認を行う金融機関側も、事務手続き時間を半減できる。

上記効果が確認できている(郵送分の即時取立を対象に年間件数ベースで試算。一部推定値を含む)。窓口サービスの充実、郵送コストや紙の削減にもつながるという。3社は、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(デジタル庁PDF)の実現や規制改革の推進に取り組んでいく構えだ。