データセンタでIT機器ごとの消費電力・CO2排出量を見える化する

日本国内のDC/データセンタ(情報処理・格納・通信拠点)の電力消費量は急増する。その大きな要因は生成AIの浸透であり、自動運転技術やDX社会の進展もあり、DC事業者には環境負荷低減が求められている。消費電力の適切な把握を要する――

2030年には18年の約6.4倍に増大すると推計(JST資料)されている中、従来はフロアやラック単位での消費電力や発熱量が把握できるのみで、IT機器や利用者ごとのが困難だったという。NTTコムウェア日本IBMは、DC運用における環境負荷低減を目的として、機器ごとの消費電力とCO2可視化の実証を昨年9月~11月に行い、排出熱の温度から消費電力をAIで推定しCO2排出量の算出等が可能であることを確認した。

非接触の温度センサを用いて電力消費と強い相関を持つIT機器の排出熱を測定し、独自AIモデルで解析して電力消費量を推定する技術(前者が特許出願中)を用いた同実証の結果を基に、社会インフラのDXに取り組む前者と、国内外における設備管理・保全業務に関するノウハウを持つ後者は、AIを活用したDC運用を高度化する新たなソリューションの共創、DC事業者への提案・提供について共創していくことに合意した。

「IBM Maximo Application Suite」によるIT機器構成管理データを活用し、NTTコムウェアの「Smart Data Fusion」でデータを集約/算出して「4DVIZ」ダッシュボードで状況をデジタルツインとして可視化する。収集データから機器等に異常がみられた場合はMaximoで作業開始~完了及び履歴管理を行う。同ソリューションは日本IBMの新本社(虎ノ門ヒルズステーションタワー)内イノベーションスタジオでデモ展示されている。

「IOWN」の活用も視野に入れ、DCの運用高度化、GX即ち「NTT G×Inno」に向け両社連携し取り組む予定だという。