車の外装検品をAIにて自動化、システムは建築物の損傷評価などにも

情報技術の浸透により様々な仕組みをより良い方向へ転換していく。デジタルトランスフォーメーションが花盛りだ。なかでも人工知能(AI)が躍進中である。今日、AIの利活用により、日本企業全体の生産性向上のためのサービスやプロダクト提供を通じて、社会課題の解決を目指しているという。

エクサウィザーズは、画像から領域ごとの状態を自動識別するAIモデルと、車向けに同モデルを活用した「外装検品自動化システム」を開発した。これにより、目視での検品作業や品質管理などを効率性・均質性の両面から高度化できる。一般的なカメラで車の周囲を撮影・アップロードするだけで、AIがパーツごとの傷や凹みを自動検出する。画像とともに車のメーカーやモデル、グレードなどの情報を同時にアップロードすることでより精緻な識別も可能となる。

同システム(紹介動画:YouTube)は、サーキュラーエコノミー事業を推進する三井物産(鉄鋼製品本部)との協業により、自動車のリサイクル・リユース領域で活用検討を進めている。同領域における検品作業を自動化することで、検品担当者の負荷を軽減するとともに、経験や技術の違いによる検品結果の揺らぎをなくし、効率性と均質性とから同業務を高度化していく――。

今回開発したAIモデルは、外装検品以外の各種領域でも応用展開を検討している。想定されるユースケースとしては自動車の査定や建築物の損傷評価などが挙げられる。自動車の査定業務に応用展開した場合、自動車オーナーと査定事業者の双方において、より公正かつ効率的な査定の実現が期待できるという。

同社は同AIモデルについて、大規模モデルの活用によりデータセット作成から独自AIモデル開発までの一連のプロセスを短期間で達成可能にしている。今後は上記応用例の他、航空、製造、インフラ等さまざまな領域でも用途に適したAIモデルのスピーディーな開発と展開を検討していく構えだ。