日本のエンタープライズIT市場規模はまもなく15兆円超え

様々な分野で生成AIの活用が検討されている。近頃、DX関連プロジェクトの成果が出せず、DX疲れを口にする企業も少なくない。果てはDX離れやDXブーム終焉といった声もあがり始めているが、変化の速い経営環境に適応するためには――

デジタル情報を活用して顧客に価値を提供し続けることが必要だ。企業もその点については認識していて、DXへの投資は決して緩んでいないという。矢野経済研究所は、国内企業のIT投資実態と今後の動向について調査を実施。結果、2022年度の"国内民間IT市場"は投資額ベースで前年度比4.5%増の14兆1,600億円と推計した。

既存情報システムやサーバー更改ならびにクラウドへの移行、電子帳簿保存法やインボイス制度などへの対応、各種帳票の電子化や業務システム新規導入等デジタル化の推進などから、IT投資額が拡大したという。同市場規模は翌23年度が前年度比5.4%増の14兆9,300億円、24年度が同2.6%増、25年度は同1.4%増の15兆5,300億円になるだろう。

23年度は半導体不足で停滞していたIT投資案件の再開やクラウド・セキュリティ関連への投資の増加、大手企業を中心とした新たなDXビジネスモデルの創造、経営環境改善を目的としたデジタルシフト案件の増加、コロナ禍の鎮静化に伴うサービス業のIT支出再開などから22年度以上の増加が見込まれる。24年度以降は、基幹システムやPCのリプレイス、システムのクラウド移行の他、実践的なDXへの投資が進むと考える。

前向きなIT投資が続く中、懸念されるのはIT人材の不足だ。ITベンダでさえ人材のひっ迫が見受けられる今、DXを進めたくても進められない状況に陥るかもしれぬユーザ企業においては、社内でIT人材の育成にも注力していく必要があるという。オリジナル情報が掲載されたショートレポートは1,000円で利用できる(同社商品購入サイト)。