生成AIを用いてITシステム運用を自動化・効率化する

IT(情報技術)システム運用の現場では、品質面・コスト面・納期面の課題が顕在化している。過去の設計ナレッジやインシデント情報、システム稼働情報といった蓄積データがあるにも関わらず、人力対応を行っているのでそのような事態を招いている。現在、蓄積データの活用に限界があるためだという。

NTTデータ先端技術は、今年12月31日まで、統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」の生成AIを用いた運用自動化・効率化を推進する実証実験を行う。同ソフトウェアがITシステムから「収集・蓄積」したデータや、同社が過去に培った設計や保守サポートのナレッジを活用し、生成AI技術を用いたAIドリブン運用による、ITシステム運用の飛躍的な迅速性、生産性の向上を目標とする。

AIドリブン運用の推進の第1弾として、運用自動化のインタフェースを生成AIベースで実現する実証実験を進める。これまでも、ITシステムから発生したイベントから対応不要なイベントをAIで判別し、その80%を削減させイベント対応業務を効率化・自動化できる検証結果を得ている。Hinemosは、「収集・蓄積」「見える化・分析」「自動化」といった統合運用管理に必要な機能をワンパッケージで提供する、OSS統合運用管理ソフトウェアだ。

今回の実証実験では、さらに生成AI(ChatGPT)を活用することにより、自動化サイクルの効率化が図れることを検証する。従来、専門知識が必要だった運用の自動化に必要な設定・ルール生成を、生成AI活用により自然言語での指示で可能にする。検証結果を11月のHinemos World2023にてデモンストレーションと併せて発表するという。

同社は今度の実験結果に基づき、2024年4月を目途にChatGPTを活用した運用自動化のインタフェースの製品化を行い、2025年度末までに500本の販売を目指していく構えだ。