2050年までにカーボンニュートラルを実現する。そのためにも電気自動車(EV)の普及が急がれる中、日本は充電インフラの整備の遅れ、そしてそれが原因かも知れぬ、EV登録台数および充電需要の少なさからくる既設機器の更新断念などがあるけれど、技術基盤に革新が芽生えはじめている。
社会的に影響を与える可能性のある道路施策の導入に先立って、関係行政機関、地域住民等の参加のもと、場所や期間を限定して当該施策を試行・評価し、もって新たな施策の展開と円滑に事業を執行することを目的とする「道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」を国交省が公募――。これに採択された日本初の公道実証実験が柏の葉スマートシティ内で今月より実施されるという。
カーメイトは、東京大学、柏市らと共に、EVを走行中に給電する技術の開発に取り組んでいて、上記実験にも参画している。同社は車載機器と送電コイルの制御装置間の通信技術に携わっていて、今回、走行中の給電状況などを可視化するシステムを新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室と共同開発した。
実験用車両の車載機器、データ処理用クラウドサーバー、スマホアプリで構成される。同システムは、車載機器が取得した情報(車両・送電コイルの位置、給電状況、走行軌跡)を同アプリで見える化。車両の位置情報をカーメイトクラウドを通じて道路側IoT機器に伝え、送電コイルのON/OFFを指示するしくみで待機電力を極力抑えられる。
スマホアプリでは、走行中に車両から取得した情報(車速、受電電力、消費電力、バッテリー残量、位置情報)を数値やグラフ、地図で可視化し、「リアルタイムで給電状況・コイルの位置を確認」または「給電状況や走行ログを履歴で確認」ができるという。同社は、25年3月まで行われる予定の上記公道実証実験に参画し、走行中給電システムの発展とその社会実装の早期実現に寄与していく構えだ。