テレプレゼンスロボットによるDC運用保守業務を実証

クラウド、AI、IoTなどの情報技術(IT)が人々の生活や各種産業の仕組みをより良い方向に換えていく。デジタルトランスフォーメーション時代に、データセンタ(DC)は、社会インフラとして一層重要な役割を果たす存在となっている。DCにおける運用保守業務では――

高品質な保守・点検および故障発生時に迅速な復旧作業のできる体制の構築が肝要である。一方で昨今、急激な需要増加、運用保守業務に求められる専門知識の高度化に伴い、それらの作業を担える人材の確保が困難な状況だという。NTT Com東ロボNHNテコラスE-MARKは、リアルタイム遠隔制御ロボット(テレプレゼンスロボット)を活用した商用DC内IT機器の運用保守業務に関する実証実験を10月に開始する。

来年3月(予定)まで、NHNテコラスが利用するDCのIT機器を対象とし、運用保守業務における同ロボットの有効性を検証する。商用環境でのこのような取り組みは世界初だという。NTT Comと東ロボが開発した同ロボットを活用して、E-MARKが保守運用作業の一部を実施する。これにより、エンジニアが自宅やオフィスからDCでの保守運用作業を行える。

高度な専門知識を持ったエンジニアを働く場所、地域の制約なく採用することを可能とすることで、DCにおける高品質な運用保守の提供体制構築をめざす。今回の検証内容は、①故障・トラブル発生時の駆け付け、②現地作業の事前事後確認、③遠隔からのサポート作業、④定期巡回。

今後はIOWN®;構想のオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用し、より低遅延なネットワーク環境を活かした遠隔からの操作性向上と機能の拡充を実現するという。NTT Comは、上記実証の成果をもとに、テレプレゼンスロボット活用DC運用保守サービスの提供をめざす。今度の取り組みを「docomo business Forum'23」で紹介予定だ。