100%ハンズフリーな産業用スマートグラスはリモートコミュニケーション、および音声操作での資料確認などを可能とする。生産活動や設備保全、フィールドエンジニアリングにおける遠隔支援で多く利用されている。 昨今、対話型生成AIの業務活用を検討する企業も増えている。
一方で、同AIは、最新情報が反映されていないことや、情報ソースを指定できないこと、情報漏洩などセキュリティ面の不安などが課題になっているという。NSWは12日、RealWearの産業用スマートグラス「RealWearナビゲーターシリーズ」に、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを搭載した"対話型作業支援ソリューション"サービスのトライアルを開始した。
同ソリューションは、社内に蓄積されたノウハウやマニュアル等の文書をもとに、現場作業者に適切な情報を提供する。顧客の独自情報をAIに学習させておくと、作業者からの音声での問いに、熟練者に代わり回答をする。Azure OpenAI Serviceにより、回答元の情報は企業ごとに構築されたテナント内で保有される。情報漏洩などのリスクを回避し、セキュリティ・データガバナンスを高水準に保ったまま、生成AIを業務に取り込める。
いずれGPT4の採用により回答精度が大幅に向上し、RealWearでの撮像データを取り込むことも可能となる。「遠隔支援で、作業者と熟練者の対話や動画のやり取りをAIが自動的に学習し、ノウハウとして蓄積する」とか、「現場作業者の音声メモ、撮影した写真から、AIがレポートの自動生成やワークフローの入力項目の抽出を行う」といった展望を有する。
トライアル環境でより多くの顧客に、製造や保守メンテナンスなどの現場作業の効率化に向けた最適なサービスとして展開することを予定しているという。同ソリューションは今週、「スマート工場EXPO秋」にて披露される。