エネルギー
CO2排出量実質マイナスの賃貸住宅実現に向けて
気候変動の影響が考えられる。大規模な自然災害の多発への備え、一次・二次災害対策が必要とされている。地震列島でもある日本では、2018年9月に北海道全域で「ブラックアウト」が発生、停電は2日間にわたり続いた。
そうしたことから、ライフライン復旧までの間に生活できる環境を整えるための再生可能エネの活用や、防災配慮型住宅のニーズが高まっているという。大和ハウス工業と大和リビングは、サンワとともに、BELS認証取得済み新築賃貸住宅「(仮称)エコンフォート前橋駒形」において、「全天候型3電池連携システム」によるネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化に向けた実証実験を12月27日から2年間実施する。
雨天時でも約10日間の停電に対応可能(水道・ガス利用可と想定)な同システムと、カーボンニュートラルLPガスを採用し、3社が設備のエネルギー供給状況・稼働率、余剰電力量のデータを集積して分析・評価する。全戸に搭載する同システムは、太陽光発電とエネファーム、リチウムイオン蓄電池を「切換盤」で連携させ、停電時の電力と給湯を確保するとともに、通常時の光熱費を削減する。
カーボンニュートラルLPガスは、原料採取~最終利用の全過程で排出されるCO2を、植林や森林管理等による環境保全活動などにより差し引き、実質「ゼロ」とみなせる。今回、エネファームで当該ガスを使うなどして、CO2排出量収支を200%削減。各戸配置の分散型エネルギーのため、災害時等でも個別調査・点検を行うことで、都市ガスや系統電力よりも相対的に早く復旧できる、防災にも配慮したエネルギーとして適している。
今般、ネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化を目指すとともに、ZEH-M(参照:資源エネ庁PDF)対応を推進し、賃貸住宅の脱炭素化による環境負荷の低減に寄与するという。両社は、安全・安心も提供できる環境配慮型の賃貸住宅を供給していく構えだ。