サプライチェーンのCO2排出量を高精度分析

2050年までにカーボンニュートラルをめざす。パリ協定での目標の達成は今後10年間の排出削減水準にて決まる。いま、規制改革や規格・標準化、金融市場を通じた需要創出など、各種提言や取り組みが加速している。

金融安定理事会のTCFDは22年発行ガイダンス3.0(TCFDコンソーシアム翻訳)で、全組織にスコープ3GHG排出量の開示を強く奨励するとした。SCOPE3はサプライチェーンの間接CO2排出量の指標(環境省解説)であり、企業は供給網全体の算定・報告を要する。グローバルに供給網を有する製造業は国内のCO2排出量の約1/3を占めていて、早急な対策が経営課題になっている。その一方で――

当該制約はおよそ法的拘束力を持たず、企業は何から手を付けるべきか判断できない状況だという。日立ソリューションズは、独Makersite社と販売代理店契約を締結。製造業の脱炭素に向けて、課題抽出から製品・企業・サプライチェーンにおけるCO2排出量の把握や予測、ESGにおけるサプライヤーの評価まで、先進的で実績ある5つの製品・サービスで総合支援する「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」を提供する。

「お客様の課題や予算に応じて、システム構築から簡単に操作できる計算ツールまで柔軟に提供」、「SCOPE1から3まで、製品や企業、サプライチェーンの単位でCO2排出量を算出・シミュレーションし削減効果の評価やカーボンプライシングを支援」、EcoVadisとの提携による「サステナビリティの観点からサプライヤーを評価」といった特長を備えた。

同ソリューションで企業はサプライチェーン全体でのLCA(環境省PDF)、GHGプロトコル()への準拠状況報告、CO2排出量算出が可能になるという。同社は日立グループのグリーン戦略の一環として同ソリューションを提供し、Lumadaとの連携により、SXの実現に貢献していく構えだ。