デジタルツイン構築に向けて建物空間IDを実装、混雑予測等に生かす

国民一人ひとりの移動手段の自由を確保する。モビリティ分野において、利便性の向上、交通事故の削減、人手不足の解消、環境負荷の低減や国際競争力の強化も喫緊の課題として挙げている。デジタル庁は経産省や国交省などと連携し、自動運転車やドローン、自動配送ロボット等の――

自律移動モビリティの運行に必要な地図・インフラ設備等を効率的に整備するため、様々な空間情報をデジタル化し、機械可読な形で流通可能なデジタルツイン構築を企図しているという。DATAFLUCTは、その社会実装促進を目的とした同庁の「デジタルツイン構築に関する調査研究」において、竹中工務店が実施した「地図・GIS実証担当③(BIMデータ連携サイバーフィジカルシステム)」に参加した。

非構造化データを構造化する機能が充実していて、データを自在かつ活用しやすい形に変換できるデータ基盤サービス「AirLake」を活用した、同実証では、空間ID(同庁仕様書PDF)の実装によって建物内の混雑エリアの予測/特定エリアにいる人物属性の把握が可能となり、その結果を「掃除や配達を行うロボットの走行ルート決定」や「エリアに最適なデジタルサイネージ」などに活用できる可能性が示された。

建物OS「ビルコミ」で取得したCGLLのデータおよびBIMデータを活用し、空間ID変換・データ分析・分析結果の外部データ基盤(ダイナミックマッププラットフォーム社製)連携を行った。同サービスにてシームレスなデータ連携を具現化した。建物空間ID分析基盤BSAPの構築、モートンオーダーのボクセル座標系の空間IDへの変換、人流データの混雑予測モデル(イメージ:同庁調査報告書P.4.3-33)を実施ないし実現した。

空間IDによる混雑・人物属性予測からの上記ルート決定や広告価値算定までの活用検証は国内初だという。同社は今後、デジタルツイン領域にAirLakeを活用していく考えだ。