クラウドとIoTで分散型エネルギー資源を可視化し電池を充放電制御

2050年カーボンニュートラルを政府が宣言した。日本では官民一体でのGX推進が拡大。地域主導の脱炭素を支援し、全国脱炭素ドミノを実現していくため、環境省では脱炭素先行地域の選定を進めている。

第一回脱炭素先行地域に選定されたその自治体では、全国に先駆けて30年度までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出を実質ゼロとする目標を掲げ、地域新電力と連携して分散型エネルギーの最適活用などを推進している。一方、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化しているその企業では、データセンターの省エネ運用等を総合的に支援する「INTELLILINK Green & BCP」の提供などを開始している――

NTTデータ先端技術は、今年1月より熊本県球磨郡球磨村および球磨村森電力と共同で行っていた分散型エネルギーリソース(DER)情報を収集して制御するプラットフォーム構築に関する実証実験をこの度完了した。これにより、地域脱炭素を進めていこうとする自治体や地元企業などは、災害時のレジリエンス強化や低コストで暮らせる街づくりなど、地域ひ益型の再エネ発電設備の導入をスムーズに行えることが期待されるという。

同実験では、災害時のレジリエンス強化や自家消費率の増加による再エネ最大限活用とコストメリットの向上などを目的に村有施設などに設置された自家消費型太陽光発電設備・蓄電池から、IoTデバイスを用いて発電量などの情報を収集し、クラウド上に構築したプラットフォームにおける可視化および蓄電池の充放電制御について有効性を確認した。システムの有効性を4月以降も検証していく。

同社は、球磨村内で対象とする分散型エネルギーを拡大(計25施設)し、周辺地域の地域脱炭素の取り組みをコンサルからシステム導入まで一貫して支援していき、将来的にはプラットフォームを通じて小売電気事業者や卸電力市場などに売電する仕組みを開発する予定だという。