50歳超えニュータウンにモビリティサービスを実装、自動運転を実証

高度成長期に造成された「ニュータウン」は50年以上経過しているところが多い。地域交通を担う人手不足や利用者減に伴う公共交通機関の縮小で、日々の買い物や通院等が困難になっており、手軽に使える近距離移動手段の確保が喫緊の課題だという。

ダイハツは、郊外のニュータウンを支えるモビリティサービスの社会実装に向けた自動運転実証走行を、神戸市北区筑紫が丘にて今月6日~24日に実施。日本総研と、あいおいニッセイ同和損保は実証走行のリスク分析を試行している。これは神戸市が2018年から進めている「地域に活力を与える地域交通IoTモデル構築事業」(PDF)の一環であり、内閣府の未来技術社会実装事業に採択されているという。

3社は、まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアムまちなかサービス事業性検証コンソーシアムRAPOCラボの活動として、18年度から同地区で乗合送迎サービスや地域活性化施策、人手不足の解消につながる自動運転などの実証実験を行ってきた。そして今年度、ダイハツは"軽"ベースの自動運転車両を用い、一般道で客の乗車を想定した自動走行技術や安全性等の確認を実施する。

坂が多く道幅が狭い丘陵道路環境下にて、前例の少ない自動運転実証走行を、同環境に適した軽自動車やコンパクトカーを用いて行い、技術やノウハウの蓄積を図る。地域コミュニティ向けのモビリティサービスの在り方について検討してきた日本総研の知見を活かして、小規模の利用者数でも成り立つ安価な車両予約の仕組みを活用したオンデマンド配車を試行する。

地域に密着したサービス性についても同時に検証し、技術・サービス両面での実証走行を進めることにより、安全で自由な移動の実現に向けた社会実装を目指す。自動運転サービス実装プロセスのうちのリスク分析では、走行経路での事故リスクの可視化や、ツールによるリスク評価およびダイハツ車両の妥当性検証などを行う。