工場のCO2排出データを自動取得、サプライチェーン全体の脱炭素へ

世界では今、サプライチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の削減が重要視されている。自らのそれだけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出の合計――

原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生するGHG排出量すなわちサプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量だと環境省がいう。今月13日、アスエネは、同社のCO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスゼロ」と、Daigasエナジーの省エネ・省人化、安定操業・安定生産支援を実現する工場向けIoTサービス「D-Fire」とのデータ連係開始を発表した。

製造業における工場設備が保持する一次データを「アスゼロ」と連係することで、カーボンフットプリント(CFP)に必要なデータの取得が自動化できるという。両社は昨年8月に業務提携し、CO2見える化から低・脱炭素ソリューションによるCO2削減までをワンストップでサポートする「D-Lineup×アスゼロ」を提供している。

「アスゼロ」は複雑だったGHG・CO2排出量の算出を簡単にして可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン排出量の報告・情報開示を支援する。一方、「D-Fire」は工場設備における機器、設備、製造ラインごとのScope1-2の活動量を一次データとして取得できる。各製造ラインや設備の稼働実態を踏まえたCO2排出量を一次データとして「アスゼロ」に自動で連係させられるため、より実態に即したCFPの算出が可能になる。

顧客は上記データ連係の活用により、CO2排出量の見える化業務工数を削減しながら、精緻なCFP算出ができるという。両社は、企業のCO2排出量見える化から低・脱炭素ソリューションによるCO2排出量削減までを一括サポートし、サプライチェーン全体でのネットゼロをさらに支援していく構えだ。