リアルワールドデータを有効利用したい医師は全体の半数超

診療行為ベースの膨大な情報を「リアルワールドデータ(RWD)」という。日本でも、医療情報の一元管理を行う「全国医療情報プラットフォーム」が推進されるなど、医療・ヘルスケア領域でのデータ活用が注目されている。

厚労省の「医療DX令和ビジョン2030」に同プラットフォームの将来像が描かれている。昨今、医薬品の創薬・マーケティング領域にてRWDの利活用を推進するべく、電子カルテデータを中心とする約500万人規模のそれを用いて臨床研究を支援する4DINと業務提携し、医療や医薬品の分野における取り組みを強化してきた。RWDは治療の効果判定や研究での有効活用が期待されている一方――

電子カルテなど非標準化データもあり、その特性を見極め業務レベルで活用することが困難だ。医療現場において、創薬、治療、マーケティングの各ステージでRWDを活用していく際、製薬企業と医師の相互理解が必須となる。が、医師のRWD活用度合にはばらつきがあり、製薬企業でニーズの実態把握は難しく、相互理解が進んでいないという。

メドピアは今年1月6日・7日、「医師のリアルワールドデータ利用意向に関する調査」を実施した。同調査は医師専用のコミュニティサイト「MedPeer」の医師会員1,054名に、医療ビッグデータの一つであるRWDの利用状況や利用意向などをアンケートしたものだ。その結果、①医師の約5割が何らかの形で利用したことがあり、「データを用いた分析経験がある(14.8%)」医師が実際に用いたデータは「電子カルテデータ」が約4割と最多。

②リアルワールドデータを診療に用いる意義は「臨床での診断・治療の適正化(24.7%)」「臨床での診断・治療の効率化(22.4%)」が多い。③リアルワールドデータの利用意向については、「利用してみたい」が約6割だったという。同社は今後、深掘り調査や医師へのインタビューも随時伝えていく考えだ。