レベル4飛行想定、ドローンによる医療物資輸送の長期実証はじまる

昨年12月5日より「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」が可能となった。それを機に、都内におけるドローン物流サービスの早期社会実装をめざす取り組みが加速している。

改正航空法が施行され、国交省の「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」がオープンした。今年度、飛行実証やオペレーションの確認を行い、来年度以降のレベル4での飛行実証の基礎を確立することを目的としている。KDDIKDDIスマートドローンJALJR東日本ウェザーニューズメディセオは2月1日~28日、あきる野市にて、ドローンを活用した医療物資輸送の運用実証を実施する。

これに先立ち今月25日に地域の小学校にて、ドローンの社会受容性向上に向けたイベントを開催する。上記実証は都の令和4年度「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に選定されたもの。レベル4ドローン運用を想定し、平日日中帯にリモート運航管理による飛行業務を行う。公立阿伎留医療センターSRLセントラルラボラトリーの間で、物流用ドローン(ACSL社製「PF2-LTE」)の自律飛行による医療物資輸送を行う。

離着陸や飛行中の無人化を見据えた遠隔運航管理のオペレーションと、長期運用における検体輸送(研究用検体)における品質管理とを検証する。昨年隅田川で実施した医薬品配送(2月発表記事)実証は3日間だったが、今回1カ月間の長期運用を行うことで、技術・ビジネス・制度面の課題を抽出し、医療物資のドローン物流ビジネスの社会実装に貢献する。

各課題抽出によって恒常的なドローン飛行に必要な安全運航体制やビジネスモデルの検討を行う。23年度には都心部でのレベル4飛行実証、24年度には都心部での長期的なレベル4飛行実証を行う予定であり、将来的にはドローンを活用したまちづくりの実現に向け、多様なサービスの展開を目指し、実証を進めていく構えだ。