ものづくりDX、リモートで堆積物の計測が可能に

この国では種々の社会課題を背景に、工場等における作業員の高齢化や人手不足が深刻化している。今日、大規模な工場での原材料の在庫管理は、作業員が広大で危険の多い堆積物エリアを巡回し、不定形な原材料を目視確認している。そのため――

作業の安全確保、効率化、計測の精度向上が喫緊の課題になっているという。NEC通信システムは、空間認識が可能な3Dセンサを活用し、工場で使用する原材料などの堆積物を安全かつ効率的に計測する体積計測技術を開発した。2023年中の製品化を目指すという。新開発技術には、「安全かつ効率的に計測作業が可能」「高い精度で計測を実現」「環境にあった3Dセンサで計測作業が可能」といった特長を備えた。

3次元の深度(距離)が測れる3Dセンサを固定設置することで、計測を要する危険エリアに近づくことなく現状の体積が把握できる。1台のセンサで複数エリアを見られ、IPネットワークを利用した遠隔計測を達成できる。RGBカメラが苦手とする照明のない場所・荒天等の悪条件下でも高精度で体積の計測が可能となる。計測対象付近に柱などの障害物があった場合や、撮影時に死角があった場合にも独自補正技術により体積を予測する。

原材料等の堆積物の残量点検作業についても、現場に行かずに計測結果を見ることができ、安全かつ無人での計測が行える。さらに、対象物の比重情報があれば3Dセンサで計測した体積から重量も算出が可能なため、たとえば供給原材料と生産量との整合性も見える化でき、在庫量の管理や棚卸時の精度向上にも寄与する。

3Dセンサは現場環境に合ったものを選定すれば屋外や昼夜でも体積計測ができる。今後もIoTや3Dセンサの技術提供を通じて、安全で効率的な社会インフラの構築に貢献していくという。同社は、上記新開発技術を今月25日~27日、第7回スマート工場EXPO2023(小間番号62-801)にて披露する。