また、2019年以前でも全国で救急医療体制の逼迫が課題となっていた。3次救急病院への救急搬送が集中していたその自治体では、受け入れ困難となるケースがあった。それゆえ、2次救急病院での処置および3次救急病院へ搬送する患者の各適正化、さらに患者搬送後の処置の迅速化のために、救急患者のバイタルや映像を搬送先病院と連携することで、3次救急病院への搬送集中の緩和および将来的な救命率の向上が求められている。
加えて、近接する各建物内で利用される通信機器同士の電波干渉の懸念があり、医療機関においても電波干渉への対策とICTの利活用による医療の質向上を両立する取り組みが求められている。そこで、ローカル5Gや4Kカメラを使用し、ICUやコロナ病棟を模した環境での各種検証を行うという。
アルム、NTTデータ経営研究所、NECネッツエスアイ、ケーブルテレビ徳島、NTT Com、フクダ電子四国販売、徳島県、徳島大学病院、徳島県立中央病院、徳島赤十字病院、徳島県立海部病院は、総務省「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において、コンソーシアムを設立し、院内ICU等の遠隔モニタリングおよび救急医療連携の高度化の実証実験を来年1月~2月に実施する。
「ローカル5Gを活用した入院患者の遠隔モニタリング」「4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる救急搬送中の患者情報連携」「4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる2次救急病院と3次救急病院間の患者情報連携」 を行う。2次救急・3次救急病院間をローカル5Gで接続し、医療情報連携の高度化も実証するという。