主力製品であるエビフリッターの生産状況を、AIにて見える化する実証から関係がスタートした。大きさや形に個体差のある原材料を扱う場合、AIによる不良品判定の精度アップには、大量の教師データの作成と、運用にあわせた適宜かつ継続的な精度向上が必要だ。ゆえにこれまで、大量の学習データの準備と、1件ずつ人力でラベル付けを行うアノテーション作業が、現場担当者の大きな負担だったという。
NECソリューションイノベータは8月30日、最新技術を活用して生産効率・品質の向上や食品ロス削減などに取り組む極洋および極洋食品のエビフリッター製造ライン(塩釜工場)に、作業現場で撮影した動画や静止画をリアルタイムにAI解析し、品質や進捗状況を見える化する『NEC AI・画像活用見える化サービス』の新機能「AI判定画像出力機能」を先行納入した。
上記新機能はAIによる画像判定精度向上のための学習用画像収集、およびアノテーション作業を省力化するものだ。メニュー画面のボタンをクリックするだけでAI判定済みの画像と判定結果のデータから、自動で良品・不良品ラベルを付与したアノテーション済みのデータを生成し、教師データとしてそのまま利用することを可能にする。
今回、上記エビフリッターの製造ラインにて同機能を検証した結果、社員が実施していた6,000尾のエビが写る200枚の画像にかけるアノテーション作業時間を従来の1/3、20時間へ削減する効果が得られた。AI判定精度も向上し、作業終了時刻の正確な予測や不良品増加時のリカバリなど、「AI判定画像出力機能」は作業現場での改善活動にも貢献しているという。