仮想化Open RANを国内外で推進する

オープン規格の無線アクセス網「Open RAN」は様々なベンダーの機器・システムとの相互接続を可能とする。モバイル網への需要が多様化していく中、柔軟な機器調達やネットワーク構築コストの削減を実現し、安全性や透明性の高いRANの構築にもつながるという。

楽天モバイルは23日、仮想化Open RANの商用モバイルネットワーク構築で得られた知見や技術を活用した技術検証環境「楽天モバイルオープンイノベーションラボ」を開設し、国内外のパートナー(通信事業者、ベンダー企業、学術機関)への技術検証環境の提供を本格的に開始する。日本国内ではこの新ラボの機能を楽天クラウドイノベーションラボ(19年2月設立)に設置することに加えて――

東京工業大学および東京大学中尾研究室)の構内に、新ラボと遠隔接続した技術検証環境を提供していく。同社は、NICT「Beyond 5G研究開発促進事業」において両大学とそれぞれ共同研究開発を実施している(W/東工大W/東大)。今回あらゆるパートナーは、リモートで同仮想化基盤の技術検証ができ、検証地への移動と検証環境構築が不要となり、迅速かつ簡単に開発を進められるようになる。

パートナー所有施設での環境構築も可能だという。同社は国際団体O-RAN ALLIANCEの技術仕様に準拠した仮想化Open RANを構築して商用サービスを展開している。そのモバイル網はBeyond 5Gネットワークの基本構成要素(総務省PDF)を満たしている。新ラボを通じて自社の知見をパートナーに提供し、マルチベンダー構成による複雑なエンドツーエンド接続確認やO-RAN準拠試験を容易にする。

パートナーの総所有コスト削減や自動化、イノベーションの推進に貢献するという。同社は、仮想化Open RANの効率的かつ効果的なネットワーク機能検証方法の確立をめざし、日本の通信技術発展に寄与していく構えだ。